以前、施療に来ていた方から「頸椎ヘルニアってって言われたけど、どうですか?」と問い合わせがありました。MRIで第五頸椎と第六頸椎の間にヘルニアがありそれが神経を圧迫している。と診断されたそうです。
症状を聞くと頚と左腕の痛みで、病院ではMRIの他は握力の検査のみで、左手の握力が低下していた。処置として痛み止めとビタミン剤で様子を見るという事。 来院して頂き握力の検査を行った所、右手60kg 左手25kgという事で、腕のしびれも強く頸椎を後ろに倒すと症状の悪化がありました。
施療は通常通り、骨盤、腰椎、頸胸部(第七頸椎と第一胸椎)、第一肋骨および頸椎の調整を行った所、頸椎の痛みや腕のしびれは変化無かったものの、頸椎の伸展度が大きくなり、握力は10kg程度アップしました。
7、8回の施療で頸椎の痛みも無く可動性も増して、腕の痛みやしびれは無くなり、握力も45kgくらいで安定していたのですが、頸椎調整後に握力が下がる事があり、原因が分からずにいたのですが、ふと肩関節を検査すると左肩関節の『ゆるみ』があり、肩関節の調整を行なうと、左手の握力が50kgに上がりました。 その後は肩関節を主体にして調整をしていき、病院での診断は、いたみ、しびれが無く握力50kgだったため治療終了になり、こちらの施療も終了しました。 できれば病院で治療終了する前にもう一度MRIを確認して頂きたかったのですが、再検査は行われませんでしたのでヘルニアの状態を確認する事は出来ませんでした。
カイロプラクティックに係らず、手技療法と言われる方法では腰椎ヘルニアや頸椎ヘルニアが消失する事はありえません。 今回の症例で解る事は、頸椎の痛みや腕のしびれは頸椎および頸胸部の調整で落ち着いてきて、握力は頸椎の問題もありますが、一番の原因は肩関節の『ゆるみ』に起因するものでした。 ヘルニアで坐骨神経痛や腕の神経痛はほとんど関係ないと考えられます。
手術を勧められてる方は一度ご相談下さい。