靭帯・筋肉

1.靭帯って?

骨と骨を繋いでいて『関節』を作っていて、多くは膠原繊維と呼ばれるもので、引っぱり強度が非常強いが、一度伸びてしまうと元に戻らない。 捻挫は靭帯が伸びてしまう事で、程度によるがひどい場合は関節が不安定になり可動時に痛みが伴なう。

症例

1)足関節

①足首を内側にひねる内反捻挫は経験した方も多いでしょう。この場合は、足首の外側にある、踵腓靭帯や前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)、後距腓靭帯(こうきょひじんたい)が引き延ばされる。

②サッカーの練習でボールに乗って転倒した方がいたのだが、足首を外側にひねる外反捻挫で足首の内側にある三角靭帯を引き延ばし、ギプスで固定をし、ギプスをはずした時に可動性回復の手術を検討していた。

アイシングとテーピングをして足関節の位置を調整していく。

2)肩関節

ボールを投げるスポーツでは肩を構成している靭帯が徐々に引き延ばされて肩関節が緩くなり痛みのためボールが投げられなくなる事がある。その他では転倒や重量物の移動時などで靭帯を引き延ばしたり弾裂が起こる。

自分自身の経験では肩関節前方の靭帯を障害されると完全脱臼ではないが肩関節の前方脱臼が起こる事があった。

アイシングとテーピングで安定させて肩関節の調整および筋力トレーニングをすると痛み軽減していきます。

3)膝関節

①スキーの転倒で右膝関節の内側側副靭帯断裂では膝関節が内側から外側に動き、外転テストでは過可動性とともに痛みが発生する。

この方は歩行時の段差なども気をつけていた。 骨盤と膝関節の調整を行い、特に痛みが無くてもアイシングをして頂いた。

②膝蓋骨を安定させている内側膝蓋支帯と外側膝蓋支帯という靭帯の内側膝蓋支帯弾裂の方では、膝を曲げた時に膝蓋骨が外側に落ちてしまい、膝を伸ばそうとする時は膝蓋骨を手で正面に戻す様にしないと、膝蓋骨が引っかかって伸ばす事ができなくなっていた。

この場合は膝蓋支帯の手術が必要となる。

③体操競技の鉄棒から落下で膝関節を過伸展して、前・後十字靭帯の両方を引き延ばした方の膝は、膝関節を90°屈曲した状態で大腿骨に対して脛骨が前後に大きく可動してしまい、歩行時は跛行していた。この方は膝関節を安定させるために普段よりスクワット等の筋トレをしていた。

 

残念な事に一度引き伸ばされた靭帯は手術でも完全な元の状態に戻す事はできない。受傷直後にはアイシングが重要で、軽症の場合なら関節を調整しテーピングし、重傷ならギプスによる安定が必要となります。

 

次回は筋肉です。

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