坐骨神経痛の原因としては以下のものがあげられます。
- 交通事故の後遺症やスポーツ障害
- 歩行不足
- 脊柱の病理(椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症など)
- 間欠性跛行(脚の血管がつまり血流不足で痛みが出る)
交通事故やスポーツ障害などで骨盤にゆがみ、後に腰痛や坐骨神経痛が発症する事があります。
坐骨神経痛でよく訴えられる症状として、お尻から太ももの後ろがビリっとする、とか、ふくらはぎが痛い、足の甲がしびれる、など、その方により現れる場所や、痛み方、しびれの程度が違います。
原因の一つで最も多く観察されるものに「仙腸関節」の障害があります。
解剖学では仙腸関節は不動関節であり動かないと定義されています。しかし、特に歩行時おいては仙腸関節は回転する様に可動し、股関節と連動する事がカイロの検査により実感できます。
そして、この仙腸関節の可動に障害が起こると腰痛や坐骨神経痛が起きる事があります。
病理については腰痛のページに詳しく説明してあります。
医師の診察を受けるべき徴候
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった病理は病院でなければ診断は出来ません。
特に、両脚にしびれが出たり、自分の意志で小便が出来ない、と言った時には脊髄疾患が疑われますので病院での検査を優先して下さい。
坐骨神経痛ではありませんが脚が痛むと言う症状の中に、間欠性跛行(かんけつせいはこう)というのがあります。
この病気は大腿動脈が血栓などにより閉塞され歩行時に脚全体が痛み、連続して歩く事が出来ない状態です。
以前2〜3度この症状の方を見かけた事があります。痛む脚を押さえ込み、地面をどすんどすんと踏みつけて痛みをなんとかしようとしていました。
しばらく休むと血流が回復するため、また歩く事が出来ますが、糖尿病で起きますが完全に血管閉塞が起きると閉塞したところから先が壊疽を起こし外科手術で切断となります。
糖尿病の他にはバージャー病というのがあり、喫煙が原因と言われてます。
最近では歯周病のある方で喫煙者は100%バージャー病になるとい言う話も出ています。
ここにもおそらく血管の閉塞だと思われる方がいらした事がありました。
右脚の痛みを訴えて来院したのですが、非常に口臭が強く歯茎の色も悪かったので、歯周病を念頭に置き検査をしたところ、膝窩動脈、後脛骨動脈、足背動脈が触知できず右母趾が非常に冷たくなっていました。
即病院へ行くようお勧めしたのですが、二、三度来院した後に病院を受診し、「何ともないって言われた」と報告受けました。
非常に驚きました。まさか病院が異常なしと言うとは思ってもいませんでした。なにしろ脈診ができず、母趾の冷感があるのにも係らず異常なしと言われたらその医師を疑わざるをえません。その方は、私の話しを聞かなくなりすぐに来なくなりましたがどうなったか心配でもあります。
このように片側の足先の冷感があった場合は血管障害の可能性がありますので、すぐに病院の検査を受けて下さい。
異常が無いとか様子を見ると言われたらカイロの施療が有効です!
椎間板ヘルニアと診断された場合でも、カイロの施療は非常に有効です。
ネット検索してもヘルニアと腰痛、坐骨神経痛は無関係と言う事がたくさん見つけられます。実際に、ヘルニアの手術後に症状が変わらずカイロに来られた方は何人もいらっしゃいます。もちろん症状は改善して行きます。
坐骨神経痛ではありませんが、頸椎ヘルニアと診断された方で頚部の痛みと左手の痛みで病院を受診し、 握力検査とビタミン剤、痛み止めの処方のみでした。
骨盤と頚部の調整をして行くと、握力は徐々に戻って来たのですが、ある時から握力の数値に変化が無くなってきましたので、肩関節を検査すると関節が不安定になっていて亜脱臼と言われる状態でした。
肩関節を調整したところ、驚くほど握力が上がりました。MRIも見せていただきましたがはっきりヘルニアが写ってました。
しかし、カイロプラクティックで頸椎ヘルニアや腰椎ヘルニアが治る事は決してありません。
ではなぜ痛みやしびれが治まるのでしょう?この項の最初に書いた通りヘルニアと症状は関係ないのです。
もちろんまるで関係がないと言う訳ではないのですが、少なくともヘルニアが神経を圧迫して痛みが出る、というのは間違っていると思います。
この方の場合、頸椎の調整で頚部の痛みは無くなり、最終的には肩関節の調整で握力が回復しました。
この様にヘルニアがあっても痛みやしびれは回復して行きます。手術を勧められた時には一度ご相談下さい。