脱臼を除くと一般的に肩関節の痛みとして四十肩とか五十肩が有名ですね。
特に症状の違いはないのですが、たまたま、四十歳や五十歳くらいの頃に発症する事が多いようでこの症状名が着いただけで、年齢とはまるで関係ありません。
あまり使わなかったり使いすぎても肩関節は障害を受けます。
やはり、事故や転落、転倒で脱臼や骨折があった場合はすぐに病院を受診して下さい。
原因は?
多くの場合、肩関節の痛みは外傷によるものと思います。
状態としては「関節のゆるみと関節の変性による可動制限」と考えています。
野球を代表とするボールを投げると言う行為が長く続いた様な場合、肩関節を構成している靭帯に負担がかかり靭帯が徐々に引き延ばされて行きます。
また交通事故や転倒などで肩関節の可動域をこす様な障害を受けた時など靭帯はいっきに引き延ばされます。
靭帯と言うのは骨と骨を繋ぎ関節を作っています。
この靭帯は繊維性靭帯と呼ばれ、まさに繊維なのです。したがって、ゴムの様に引っ張っても伸びる事は無く骨と骨をしっかりくっ付けている組織です。
しかし、絶えず引っ張られ続けると徐々に引き延ばされて靭帯が長くなって行きます。
そうすると、関節は「ゆるく」なっていき関節は不安定になってきます。関節がぐらついている状態です。
靭帯は一度伸びると元には戻りません。
長く履いているズボンの膝がたるんで行くのと同じで、一度伸びた生地は元通りにはなりませんね。
カイロの学生時代骨折した時、解剖学の先生に「良かったね。骨が折れて」と言われ、骨が折れて靭帯に負荷がかからず靭帯を伸ばさずに済んだ。と説明を受けました。
ですので、年齢が低くても肩関節を使いすぎると、肩がゆるくなり痛みが出てきます。
この時は、自力では痛みのため腕を挙げる事は出来ないが、脱力状態で他人がゆっくり挙上させると痛みが無く腕が上がります。
逆に使わなすぎると関節の潤滑が失われて来て可動制限がおきます。
ゆるくなり痛みがある状態をほっておくと、関節内の関節最終可動域のあたりにたぶんカルシウムの結晶が「バリ」の様になり腕を動かす時に引っかかる様になります。
そしてある程度から先は痛みもありますが関節面がひっかかり自力でも他人でも動かす事が出来なくなります。
この状態を調整するのにはかなり痛みが伴います。なにしろ、バリを削り取らないと可動域が確保できないのですから。
この様になる前に関節をしっかり密着させる事が大事になります。
そして、他のページにも書いてありますが、痛みを感じたら肩関節をアイシングして下さい。
靭帯が伸びた関節でも関節を密着させこまめにアイシングをする事により痛みは無くなり、関節の安定は得られます。自宅でもある程度出来る事があるのですが、まずはご相談ください。