股関節、膝関節、足首の痛みは連動的に起きる事が観察されます。
- 変形性股関節症
- 変形性膝関節症
- 膝関節捻挫
- 足関節捻挫
骨盤の変位があると歩き方が変わったり、傾きにより荷重が一定ならずどちらかに傾いていたりして、股関節、膝関節、足首に変位が起きるため、どこか一つの関節のみ障害される事は少ないと考えられます。
また、足関節の捻挫により膝関節、股関節そして骨盤の変位と逆をたどる事もあります。
変形性の疾患は主に加齢による事が多いのですが、受傷後に変形が始まる事もあります。捻挫は靭帯が引き延ばされた状態で関節の不安定となります。
事故や転倒では骨折や靭帯断裂が疑われますので病院の受診を優先して下さい。
股関節
変形が無い股関節痛は、骨盤のゆがみにより股関節が内旋(内股の状態)している事が多く観察されます。
この状態の方は股関節を屈曲(膝を腹部につける様な動作)で股関節につまり感や痛みが出ます。
特に膝を対側の肩に近づける様にすると顕著に現れます。もちろん外旋(外股)変位している方も屈曲での詰り感を訴える方もいます。股関節が正しい位置に無いとつまり感を感じるようです。
股関節の調整は潤滑を高めて行く方法と、可動域を正常にするために筋肉の長さを調整して行きます。
筋肉の長さの調整というのは単純にストレッチだけではなく、引き延ばされた筋肉を縮め、縮んでいる筋肉は引き延ばすという方法を使っています。
変形があっても初期であれば、骨盤と股関節の調整を行う事により痛みを取り除く事は可能です。
膝関節
膝関節は人体の中で一番大きく複雑な動きをする関節と言われています。
外傷を除くと、股関節の内旋変位があると膝関節の完全伸展(完全に伸びない状態)が出来なくなり、内測半月の前方変位が起こる事が痛みの原因となります。
大腿骨と脛骨は伸展と屈曲する時にわずかにねじれるのですが、多くの場合、大腿骨に対して脛骨の外旋が起きていています。
膝関節の調整は関節半月の位置の調整と、関節面を密着させ内、外旋の動きを改善して行きます。
外傷としては関節半月の裂傷、膝蓋骨の骨折、前十字靭帯、後十字靭帯の断裂、内、外側副靭帯の断裂などにより膝関節の不安定があり、内側、外即膝蓋支帯断裂により膝蓋骨(膝のお皿)が内、外側に脱落する事もあります。
外傷はギプスによる固定や手術の対象になります。
膝関節の障害時には、関節内に水がたまりますがなるべく抜かないで下さい。
東洋医学では水が溜まるのは関節に炎症が起きているため、身体は水を溜めて冷やしている、と言っています。
「何度抜いてもすぐ溜まるから抜いても無駄」というお年寄りの話を聞いた事があります。
最近はお医者さんも同様な事言ってむやみに水を抜かないと聞きます。ですので、膝が腫れている感じがする時にはアイシングをする事によって腫れが引いて行きます。
足関節
足関節は股関節と膝関節の位置、可動制限によって脛骨と距骨にねじれが生じて痛みに繋がってくる事もあります。
捻挫で痛める事も多く、特に内側にひねって外くるぶしあたりを痛める事がよくあります。
他にX脚の方に多いのが足のアーチが少なくなり足底腱膜が引き延ばされて足首が内側に潰れていく事(扁平足)もよく観察されます。
ランニングでも足底腱膜炎の発症があり、歩行時に踵が地面から離れて行く時に足の裏に『ビリッ!』とした痛みが走ります。
この場合には痛みが引くまで安静とアイシングをして下さい。痛みが治まったらテーピングで補強しながら運動を再開して下さい。
カイロでの調整は距骨と踵骨のねじれをとる様にして、距腿関節の動きを調整して行きます。