代表的な整形外科系疾患についての簡単な解説です


1.腰椎椎間板ヘルニア

背骨は椎骨(24個あります)が積み重なってできていて、椎骨と椎骨の間にある軟骨でできたクッションが椎間板です。
その椎間板の中央部にある髄核が、それを囲む線維輪に生じた亀裂を通って後方に移動し、椎間板が膨隆した状態(protrusion:突出)、さらには線維輪の外に飛び出した状態(extrusion:脱出)を椎間板ヘルニア(ヘルニアとは組織や臓器が飛び出す異常のことです)といいます。

Q.どんな症状がでるの?
腰痛、下肢の痛みやしびれ(坐骨神経痛といわれるものです)、
足の筋力の低下(つま先立ちやかかと立ちがしにくくなります)などを起こします。
ひどい場合は排尿ができなくなることもあります。

Q.どんな人がなりやすいの?
A.働き盛りの人、女性より男性に多くみられます。




2.変形性脊椎症(変形性腰椎症)

椎間板は、歳をとったり、重労働やスポーツなどで無理をかけると徐々に薄くなってきます。
そうすると椎体のふちの部分や椎骨と椎骨をつなぐ関節(椎間関節といいます)がこすれて、
骨にとげ(骨棘<こつきょく>といいます)がはえたり、関節周囲の骨(関節突起といいます)が肥厚したりしてきます。
この ような変化(医学用語では退行性変化といいます)は、脊柱管や椎間孔を狭めてしびれなどの神経症状を引き起こします。
ただ実際には椎骨の変形がけっこう進んでいても、強い症状がない人もい ますので、変形の程度と症状は必ずしも一致しません。

Q.どんな症状がでるの?
1)腰痛、下肢の痛みや痺れ、下肢に力が入らない(歩きにくい)などの症状を起こします。
2)ちょっと歩くと、下肢がしびれてあるけなくなり、前かがみで数分休むとまた歩けるようになる
 (馬尾性間欠跛行といいます)という症状を引き起こすこともあります。
3)重症の場合は、排便・排尿がうまくできなくなります。

Q.どんな人がなりやすいの?
A.高齢者がほとんどです。




3.脊柱管狭窄症(腰部脊柱管狭窄症)

脊柱管(頚椎から第1〜2腰椎までは脊髄が、そこから下は馬尾が通っています。馬尾は複数の脊髄神経の束です)が狭くなって、神経を圧迫(頚椎で起こ れば脊髄を圧迫し、腰椎で起これば馬尾を圧迫します)して起こります。
変形性脊椎症や椎間板ヘルニアなどによって狭くなる後天性の場合と先天性の場合とがあります。

Q.どんな症状がでるの?(腰部脊柱管狭窄症の場合)
1)ある程度歩き続けていると、下肢がしびれて(両足から上に向かってしびれが広がってきます)歩けなく
 なりますが、前屈みで数分休憩していると、しび れはなくなりまた歩けるようになります。
 (馬尾性間欠跛行といます)
2)腰痛・下肢痛を伴うこともあります。

Q.どんな人がなりやすいの?
A.中高年のひとに多くみられます。




4.脊椎分離症

椎弓の上関節突起と下関節突起の間が離れた状態をいいます。 必ずしも腰痛などの症状を引き起こすものではありませんが、症状があってX線写真を 撮った結果として骨の分離が判明すると脊椎分離症と診断されます。第5腰椎に多く発生します。

(1)脊椎分離すべり症
上述のような原因で脊椎分離症になった人の一部に生じます。分離した椎骨はどうしても不安定になるため椎骨が前方に滑りだしていきます。こうなった場合が、脊椎分離すべり症です。


Q.どんな症状がでるの?
1)分離しただけの場合は、必ずしも症状は生じません。
2)症状がある場合は、運動や労作、前屈、立位の継続などで腰痛や臀部痛を感じます。
  腰の不安定感や腰のずれを感じる人もいます。安静にしている場合は症状はほとんどありません。
3)時に、神経根症状(下肢にしびれや痛み、筋力低下がでます)や脊柱管狭窄症状(前に書いてあります)が
  生じることもあります。

Q.どんな人がなりやすいの?
成長期にスポーツなどによって、腰椎に過剰なストレス(外力)を掛けることで発生すると考えられていますから、10代の若い人にも多くみられます。第 5腰椎に発生することがほとんどです。

(2)脊椎変性すべり症
椎間板や脊椎周囲の靱帯が加齢にともない弱くなり、椎間関節に変形(退行性変性といいます)も生じることで、腰椎が前方へすべり出した場合、脊椎変性すべり症となります。骨が分離しないで前方へ滑り出しています。
特に女性で発症しやすく、第4腰椎に多発します。この点は、脊椎分離すべり症(第5腰椎に多い)と違います。
脊椎変性すべり症は、椎弓での分離を伴わないことから、椎骨全体が前方にすべることになります。
そのため馬尾の通り道になっている脊柱管も同時にずれる ので、脊髄硬膜、馬尾、あるいは神経根が締めつけられる危険が高くなります。


Q.どんな症状がでるの?
1)脊椎分離・すべり症と同じような腰痛です。からだを動かすと症状が増し、安静にするとやわらぐ傾向が
  あります。
2)時に、下肢のしびれ感、下肢の痛み、脱力感、歩くと下肢がシビレる(馬尾性間欠跛行)などが生じます。
Q.どんな人がなりやすいの?
中高年の女性に多く見られます。


腰痛の部屋に戻る ■腰痛の原因 ■ぎっくり腰

Copyright : J.C.C. Tennocyo & Chiropractic Kawasaki