カイロの学校を卒業後、インターンをしていたセンターでの経験です。 スナック経営の女性で肩こりがひどく時折来院していました。特に右を向くと首から僧帽筋にかけて痛いと訴えていました。
うつ伏せで僧帽筋のマニピュレーションをし始めた時、思わず手が止まりました。 僧帽筋の中に芯が入っている様な感じがして、おかしな表現ですが『筋肉の中に鉛筆が入っている』と思ったほどです。
ひととおり施療が終わり、副院長にお聞きしたところ、数年にわたり3日に一度くらいの間隔で自宅にマッサージ師に来てもらいマッサージを受けていたそうです。 肩こり等でマッサージを受ける方のほとんどは強い力で押してもらいたがっていますが、 実は強い押圧やマッサージ行為は筋肉を痛めると言われています。
前述した女性の筋肉の事を考察すると、強いマッサージを受けた事により筋肉内の毛細血管が障害を受けて微量の内出血が起き、血管の修復が完全に行われないうちにまたマッサージを受ける事が続き、数年間かけて出血修復のために集まって来た繊維組織にカルシウムが沈着して筋肉で変性が起きてしまったのだろうと考えています。 まるで筋肉の中に『骨』ができた様な感じです。 残念ながらこの様になってしまうと筋肉は元に戻る事は無いでしょう。
もっとも、カイロプラクターがマッサージ行為はできませんから、カイロの施療でこのような事は起こりません。 頸椎や頚胸移行部の調整や鎖骨の動きを整える事によって肩こりは軽減していきます。オイルを使い皮膚をさする様にするだけでもリンパの流れは回復していき、非常に良い効果があります。 凝っているからといって強い力で筋肉を揉みほぐす事は良い事ではありません。