写真が小さく解りづらいが左右の脚を見比べると左脚の外側がやや細くなっているのが解るだろうか。さらに右脚より左脚がやや内側を向いている。現在、左側坐骨神経痛と股関節痛で施療中のクライアントさんなのだが、左の膝関節もやや大きく見えるのは水が溜まっている状態である。
自身の体験も含めて現在腰痛と股関節痛を施療中のクライアントさん3名を観察すると、股関節痛のある側の膝関節にも水が溜まっている事が解った。膝関節の検査をすると関節の動に制限がある。 そして、何より股関節痛のある側の外側広筋(大腿外側の筋肉)の萎縮が観られる。
今までも同じ事が観察されたが、自身も左膝関節を痛めた時に左外側広筋の萎縮があり原因が解らないでいたが、整形外科医の書いた本を読み、筋萎縮が起こる事に納得ができた。
その本によると、『痛めた膝は関節を守るため筋肉を萎縮させる。』と、書かれていた。自身が膝を痛めた時には特に腰痛があるわけでもなく、神経障害があるわけでもないのに、なぜ筋萎縮が起きたのか理解できずにいたのだが、実際にアイシングして腫脹が治まり痛みが引いてくると、自然にもとの筋量に戻ったのだ。
この事を考えると、一般的な処方として、膝関節の痛みには大腿四頭筋を鍛えると言われているが、膝自身が膝関節を休ませるために筋萎縮を起こしているのなら、膝痛の患者さんに筋トレをさせるのは間違っているのではないだろうか。 前回のブログでは代謝アップのために筋量を増やすと言う事に疑問をていしたが、関節の障害が治まると筋萎縮も治まり元に戻る事を考えると、やはり、筋トレより現在ついている筋肉をよく使う事の方が大事で、関節の調整をすると言う事は非常に重要な事と思える。
自宅で膝関節を調整する方法
1.スクワットを行う。これは大腿四頭筋の筋トレと言うより膝関節の屈伸により関節面を密着させる事が意義となる。どこかに掴まってもかまわないので、痛みが出ない程度で屈伸を10から15回程度行う。
2.スクワットをした後には必ずアイシングを行う事。時期が時期なのでアイシングは辛いかもしれないが、やはり、炎症のため腫脹しているのだからしっかりアイシングする事をお勧めする。
参考文献 『考える膝』全日本病院出版会 著者 井原秀俊(整形外科医)