浮き趾

足の趾(趾→あしゆびの事)が浮いている方が増えているようだが、実際、両足をそろえて立てない方がいる。両足をそろえると後ろに倒れてしまうのだ。この方達を観察すると、体重が踵の上に乗っている事が解る。 ヒトを横から見た状態では重力線は土踏まずの中央にあるのが理想と思う。そのまま上に上がっていくと大腿骨の大転子をとおり、肩関節の中央位を抜け、外耳孔を通り頭頂に出る。

足をそろえて土踏まずを下から見るとドーム状になっていて、この中央に体重がかかれば前後のバランスがいい事になる。例えば回転椅子の足など見ても軸から4本ないし5本の足が張り出すが、足の長さはすべて同じになる。 土踏まずはドーム状になっているからその中央に加重するのが一番安定するはずである。

では、なぜ踵の上に荷重がかかるのかと言うと、骨盤の変位が一番の原因ではないと思う。立っている時の骨盤は上前腸骨棘と恥骨結節が一線上に来るのが正しい状態であり、このバランスをとっているのが腸骨の形だと考えている。

上半身を乗せた骨盤は立っている時に股関節が支点となり前後に回転する様に動き、前後のバランスをとっているのだが、仙腸関節に変位があるとバランスが崩れ、特に寛骨の前方変位があった場合、変位側の骨盤は全体が後方に移動する事によって荷重が後ろに移動する事になる。 本来、土踏まず中央にあるはずの重力線が踵に移動し後ろ過重になってしまう事になる。 後ろ過重になれば当然足の趾が浮く様になる。

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