膝の痛みのなかで「オスグットシュラッテル病」という病気がある。成長期にスポーツをしているお子さんたちに起こる事のある病気である。
病気と言っても細菌やウイルス感染ではなく多くはスポーツ障害であり、大腿四頭筋が脛骨粗面から剥がれる病気になる。ジャンプをする、ボールを蹴る、ラグビーの様に脚を踏ん張って膝を伸ばすという様なスポーツで多く見られる。
大腿四頭筋というのは膝を伸ばす筋肉であり、骨盤と大腿骨から起こり膝のすぐ下にある脛の出っ張っている部分「脛骨粗面」に付着する。成長期の子供たちはまだ筋肉が骨にしっかり付いていないため、強い筋肉運動を行うと骨から筋肉が剥がれやすい状態である。 走り込んだりすると脛骨粗面に痛みが出たり、膝関節に水が溜まる。
基本的には運動の中止が望ましいが、レギュラーからはずされないように、痛みを我慢して練習をする事がある。もちろん、筋肉が完全に骨から剥がれる事は無いのだが、剥がれかけた部分は元に戻る事は無く、大人になっても脛骨粗面をぶつけると強い痛みがある。 ある程度の年齢に達するまで強い運動を避けたいのだが、何もしないと筋肉量が減少するので、膝の屈伸をあまりしない様な運動で大腿四頭筋の筋肉維持が必要になる。
筋トレの方法
1. 仰向けになり意識してお腹を引っ込める→腹横筋のトレーニング 3分×5セットくらい
2. 片脚づつ膝を伸ばしたままで脚の上下運動→大腿四頭筋のトレーニング 片側15回づつ
3. 立ち上がり膝を伸ばしたままつま先で軽くジャンプをする 20回から30回程度
4. 早歩きを行う 30分から40分程度を連続して歩く
そして、トレーニング後はアイシングを行う。
以前は大腿四頭筋を鍛えるのはうさぎ跳びをしていたが膝に障害起きやすいので、現在では行わないよう聞いているが、実際にはまだ行われているようだ。
運動部に所属していて、膝の痛みを訴えているお子さんをお持ちの親御さんは、どんな練習をしているのか聞いてみる事が必要と思う。