熱が出たら?

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先週インフルエンザで施療を休んだ方がいらしたので、発熱について書いてみた。

発熱は風邪やインフルエンザの際に、身体が免疫力を上げるために起きる事で、実は喜ぶべき事である。身体が病気に対してきちんと反応している証拠であるからだ。

風邪を引いた時など感染したと言う情報を元に発熱の指令が出て、決めた体温まで熱を上げる事になり、決められた体温になるまでは体温が下がる事は無い。 発熱しないと言う方は免疫機能が低下しているのではないと思う。

解熱剤で熱を下げると薬の作用で一旦は熱が下がるのだが、薬の効果が切れればまた熱は上がる。それを繰り返すと熱が下がりにくくなり、いつまでも熱が高い状態になる。

しかし、発熱は必要な事であるが、脳にとっては非常な負担である事を忘れてはならない。体温は高い状態で維持して、脳は冷やす事が大事になる。脳はタンパク質で出来ていて、タンパク質は高温になると変性して硬化する。これは、水に生卵を落として、それを熱していくと、透明だった白身が40℃近くになると白く固まってくるのと同じ事である。 そして、脳の温度が42℃になると人は死ぬ事になる。だから、水銀体温計は42℃までだったのである。

免疫を高めるため体温は上げ、脳を守るため頭は冷やす。頭寒足熱は間違っていない事になる。 そして、もう一つ忘れてはならない事がある。発熱にはパイロジェンと言う発熱物質が必要なのだが、加齢によりパイロジェンは減ってくる。そうすると、当然発熱しにくくなる。老人の肺炎は死亡原因になるが、パイロジェンが少なくなっていると体温が上がらないため発見が遅れる事になる。これを無熱性肺炎と呼ぶようである。この様には発熱が無いと言う事は非常に怖い事である。

これを書いているうちに思い出したのだが、カイロの学生時代、生理学の体温調節の授業で上記の話しをしていて、最後に教授が「なんで、病院は薬を出すんだ?」と言い、答えに困っていたら「薬を出さなきゃ病院が儲からないだろ」と言っていた。

命がかかっている場合は薬も必要だが、風邪とかたとえインフルエンザであっても薬は必要ない。しっかり休んでビタミンCと水分をとり、頭を冷やしていればそれでよいのである。

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