症例

腰痛:仙腸関節の痛み

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階段で片足がつまずき体を支えようとして反対の足を出したが、その足も階段にぶつけて転倒。左膝の内側の靭帯を痛めた。 膝の痛みをかばって歩いていたためか腰が痛くなったと言う方が来院。

腰痛でも痛む場所があるので詳しく聞くと、右側の下の方と言う。触診しながら場所を特定すると仙腸関節付近に痛みが出ている。この方は時折首の痛みで施療に来るのだが、普段は腰痛を訴える事は無い。 膝の痛みもあるので検査をすると特にひどく靭帯を痛めてる様子は無い。冷湿布をしていたが、自宅では氷水によるアイシングを勧めた。

骨盤の検査では立った状態で壁に手を着いてもらい、片脚を持ち上げる検査を行うのだが、施療前は右脚が上げづらいようであった。腰椎の可動検査では左に曲げづらく、腰椎も左側に凸を作っている。

骨盤と腰椎の調整を行うと膝上げの検査で右側の膝を上げやすくなったと言っていて、痛みもだいぶ治まったようである。 やはり、体のどこかを痛めると全体のバランスが変わり、どこかが痛む事がある。

今回の方は、ゴルフを趣味にしている方なのだが、膝のじん帯を痛めてる事と右の仙腸関節の状態が安定するまでゴルフは禁止とした。

『腰痛は動いて治せ。』という話しがネット上や出版物によく出ているが、原因によっては悪化させる事もあるので、気になる事があったら連絡を頂きたい。痛めた場所や痛め方によっては安静にする必要がある事も多い。

膝の不安定・膝十字靭帯の損傷

Drower's Sign

腕のしびれや頚部痛で施療中のクライアントさんの膝を検査したところ、右膝の動きに異常を感じた。改めて話しを聞くと、5年前、階段で脚を滑らせ右膝を痛め整形外科を受診。レントゲンで異常なし。様子を見ると言われ特に治療や投薬はなしだったとの事。

その整形外科では触診および整形外科検査は無く、レントゲンのみで診断したようだが、本日、Drower’s Sign(ドロワーズ サイン 画像参照)という前・後十字靭帯の検査を行うと、後十字靭帯の損傷を発見できた。

靭帯が伸びてしまったこと自体は外科手術をする他に方法は無いが、膝関節の位置を調整する事と日頃からアイシングを行う事で、痛みや不安定をかなり防ぐ事が出来る。

膝の痛みや不安定を感じ、レントゲン、MRI検査で異常がなくても、整形外科検査や、カイロプラクティックによる可動性検査を行う事で、膝関節の異常を発見する事も出来る。

また、程度にもよるが関節の調整をする事で痛み、不安定感を緩和する事が出来るので、異常を感じてる場合はカイロプラクティックの施療をお勧めする。

尻餅をついたら胸に痛みが。

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以前より来ている方から、お子さんとサッカーをしていて、足を滑らせて尻餅をつきお尻の右側を強く打ち、その後、胸の真ん中が痛くなり、深呼吸や仰向けで痛みの増悪があると相談があった。 胸を打っていないし、打撲の跡も無く腫れも無い。と言う事なので、こちらに来て頂いた。

胸を見ると確かに腫れも無いし痣にもなっていない。軽く叩いてみると痛みが出るが、転倒した時には右手をついて背中は打っていないと言う事なので骨折の疑いは無いと判断して施療を行った。

骨盤を検査すると、やはり右坐骨を強く打ったのだろう。右寛骨の後方変位があった。過去の施療記録と比べても、今回の後方変位は転倒によるものであると思われる。普段は左寛骨の前方変位があるため、両側の調整と頸胸部および頸椎の調整を行い、胸部はテーピングをしてアイシングを指示。

脊柱側弯症の方なので、腰椎、胸椎は調整の効果が少ないため、骨盤と頸椎とでバランスを取って、胸の痛みはアイシングにより自然治癒をさせていく。 普段は首の痛みが強くなると予約して頂いているが、今回は骨盤の施療をしっかり行いたいので、数回通ってもらう事とした。

また、今回は尻もちをついた時に手を着いているので、右肩関節と右母指に痛みを訴えていた。これは調整を行うと痛みと可動制限は無くなった。

簡単に尻もちと言うが骨盤に与える影響だけではなく、他の部位まで痛める事があるので、充分注意して、もし尻もちをついた時にはなるべく早いうちに調整行う事をお勧めする。

膝の痛み

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先だってより左股関節と右膝関節痛で施療しているクライアントさんが、膝関節と脊柱のレントゲンを持参して来院した。

右膝関節は膝の内側の痛みでレントゲン上では関節内側の隙間が少なくなっているがこれと言った問題は無い。病院の診断でも異常なしと言われた。

しかし、触診では関節に腫脹があり水が溜まっている。可動性の検査では大腿骨に対して脛骨の内旋に可動制限がある。膝の痛みを訴える方の多くは内旋が出来ない。内旋が出来ないと膝関節は完全伸展が出来ず、いわゆる屈曲膝と言われ、この状態が長く続くと関節の変形が起こり機質的なO脚になっていく。

この方の膝の痛みは左股関節痛が軽くなったため、軽いウオーキングをしてから痛みが強くなったと言っていた。おそらく左股関節痛のため右に加重して歩いていたのが、本の僅かではあるが、左脚に加重でき手歩き方が変わったのが原因と考えている。

また、脊柱のレントゲンを見ると第12胸椎と第1腰椎がすでにくっついてしまっているので腰椎のゆがみを完全に調整する事は適わないため、可動できる腰椎の調整を続けている。

現在は、自宅でアイシングをして週二回ほど調整をしている。痛みが少ないときもあるが、仕事でかがむ事も多く痛みが強くなる事もあり、ゆっくり歩いている。 股関節の痛みは続いているのだが、最初の痛みよりだいぶ軽くなっているので、骨盤、腰椎、股関節および膝関節の調整を続けていく。

縫製業で左母指に痛みが?

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現在は個人で縫製業している方から相談があり、左母指の付け根が痛いと言うので指を見せてもらった。 第一中手骨が(親指の甲の部分)が手の甲の方向に少し飛び出している。上記の画像は私の手であるが、この女性も同じ様な変位であった。

話しを聞くと痛みの時期ははっきりせず、いつの間にか痛みが出て来て最近は仕事でも痛みが強いと言っていた。 この方は子供の頃から縫い物が好きで小学校に上がる前から母親に教わって縫い物をしていたそうだ。「考えてみれば学校上がる前からだから、50年以上縫い物してるんだよね」と話してくれた。

右利きの方は左手で布押さえて右手で運針をしているため、母指に変形が出たのだと思われる。第一中手骨と大菱形骨の関節の調整を行うと第一中手骨の変位は多少よくなり痛みが少なく母指の動きもよくなったので、以後、自分で調整する方法を話し時間のある時に自己調整を行ってもらった。

しばらくして連絡があり、痛みはだいぶ落ち着いて来たと話してくれた。親指に力を入れる様な仕事をしている方はこの様な変位が多いのではないと思っている。痛みが強い時にはアイシングをお勧するめ。

指先のしびれ

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2年ぶりに来院したスナック経営の女性。今回の症状は右手の指先が軽く電気が通ったようにピリピリしているという。 症状が出始めたのは1ヶ月くらい前で、お店のお客さんが肩を揉んでくれたそうだ。それが原因とは思わないが、頸椎の動きを検査すると、下部頸椎が右に倒れにくい。この部分は腕を支配している神経がまとまって通っているため、首の傾きが出ると傾きの程度によって神経が牽引されてしまう。

一般的に腕や手のしびれ、または坐骨神経痛も「神経が圧迫される」と言われているが、実際は神経の圧迫より牽引された方が障害が出る。今回の場合も下部頸椎の傾きによって神経の牽引が原因として調整を行った。

仕事の都合もあり近いうちには来られないと言うので改めて連絡してもらう事としたが、頸椎の調整後下部頸椎の動きは回復して、頚が動かしやすくなりしびれ感も少なくなっている。

またインターンの頃の経験だが、肩こりが強いのでマッサージ師を自宅に呼んで施療を行っていた方がカイロプラクティックセンターに来ていた。その方の僧帽筋を触診すると筋肉の中になにか硬いものが入っている様に感じた。強いマッサージによる筋肉の変性と思われる。強いマッサージは筋肉を壊す事があるので呉々も注意を願いたい。

腕や手の痛みやしびれは脊髄に問題が無ければカイロプラクティックの調整は効果は高いと考えている。

頚部の痛み

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電話オペレーターの方が頚部の痛みを訴えて来た。パソコンを見ながらの仕事と言っている。慢性的に痛みがあるが、一昨日くらいからとても痛みが強く頭痛も出ている。気持ち悪いときもあるそうだ。

骨盤から検査をしていくと、左仙腸関節の前方変位が強い。頸椎の下部は右に倒れづらく、上部は左に倒れづらくなっている。さらに第一頸椎は右側に側方と回旋変位を起こしている。通常上部頸椎が左に倒れづらい時には第一頸椎も左側方と左後方に変位が起こるのだが、10年前に自転車で転倒して顔面を強く打っている。前歯も折れて裂傷もあったそうだ。

交通事故と同じで頭部に強烈な衝撃があると頸椎には何かしらの影響が出てくる。以前も、自損事故でフロントガラスに頭部を打ち付けてから頭痛が出る様になった方がいたが、頭部を強打する事で第一頸椎の変位が起こり頭痛の原因になる事がある。

この様な場合は、頸椎の調整が必要になるが、自宅では頚と後頭部の間をアイシングすると頭痛の緩和に繋がる。 また、今回のクライアントさんは頚部痛だったため、調整後自宅で頚部のアイシングをして頂く様にした。

病院では頚部痛の時には頚部の牽引を行うが、腰部も頚部も牽引はお勧めできない。場合によっては症状が強くなる事がある。直立二足歩行の人間の頭や腰を引っ張っても、建って歩くのだから牽引の意味は無いと考えている。

ほんとは怖い捻挫

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週一回で調整をしているクライアントさんが、入室するなり左足首を捻挫したと言ってきた。近所に買い物をしにいったところ、道路工事をしていて、段差は僅かだったが、左足首を内反捻挫してしまったそうで、あまりひどいと思わないでいたが、帰り着くと思ったより腫れていた。アイシングをしてもまだ腫れていると言う。

関節とは靭帯が骨と骨とを繋いで作られていて、この靭帯が引き伸されると炎症が起き痛みが出る。程度にもよるが、一度引き伸された靭帯は元には戻らない。関節を構成している靭帯は繊維性靭帯と呼ばれ布と同じである。そのため長く履いているズボンの膝が伸びてしまうと元に戻らなくなるのと同じ事になる。 そのため、部位にも程度にもよるが、骨折の方が予後がよい場合がある。

以前も書いた事だが靭帯がのびると、関節は可動域が大きくなってしまい不安定になってしまい、感覚の低下や筋力低下が起きる事もある。また捻挫は時間経過で治っていく事は無い。 そのため初期の治療が非常に重要となる。

今回の場合は捻挫してからあまり日が経っていなかったため内反しているかかとの骨を調整したところ立ちやすくなり、歩きやすいと言っていた。自宅でアイシングをしてもらい、次週また調整を行う事にした。

捻挫をした場合、関節の固定とアイシングが一番だが、受傷の程度によっては骨折も疑われるため専門医の受診をお勧めする。 たかが捻挫と思って甘く見ない様にご注意を!

腰痛・階段から転落

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以前ブログに尻もちを突いた時の事を書いたが、階段から転落して坐骨を強く打った時も同じことが起きる。

10年ぶりにいらしたクライアントさん。職業はパソコンで設計をしている。話しを聞くと2週間前に腹筋をして、その後洗車をしてから腰に痛みが出始めて、先週は仕事を休んでいたと言う。座っていても立っていても痛みが出ていたという。

本日、朝に電話が来て夕方に予約戴いた。検査をすると右仙腸関節に後方変位がある。改めて聞いてみると、一年半ほど前に階段から落ちていると言っていた。どこをぶつけたのか覚えては無いがかなり痛かった様子である。

おそらくその事が原因で、右仙腸関節の後方変位が起きたものと推察される。後方変位と言うのはほとんどが外傷性で尻もちや階段、脚立等からの転落で起きている。

調整を行うと立っていた時の痛みや違和感がだいぶ軽くなってきたそうだ。ただし、仙腸関節の後方変位と言うのは、関節内で傷が出て来てしまい、その傷をしっかり回復させないと、動いている最中に傷が引っかかり、仙腸関節の運動を停めてしまう。

仙腸関節が動いていないと、腰痛や肩こり頭痛に至るまでいろいろな症状が引き起こされる原因になる。調整後はアイシングをしてもらい、仕事の都合で来週に施療する事とした。

手首の痛み、実は肘に原因が!

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手首が痛いと言う方の手首を検査したところ、掌屈(手のひら側に曲げる)と撓屈(親指側に曲げる)に制限があり、撓屈した時に痛みが出た。 親指と手首の間の関節を掌屈できる様に調整したのだが、撓屈の制限と痛みが引かなかった。

撓屈の制限をよく見てみると、肘関節の一部である上撓尺関節に問題があるのでは考えてみた。 肘内障と呼ばれる肘関節の障害があるのだが、小さなお子さんの肘が抜けるという症状であるのだが、この方は運動をしているので、腕を突いたりぶつけたりしているのだろうと思うが、原因ははっきりしない。

この症状は撓骨頭と言う部分が撓骨輪状靭帯から抜けてしまう状態の事である。 もちろん完全に抜けていれば脱臼になりカイロプラクティックの範疇ではないが、触診すると右側より左側の方がわずかに関節の隙間が広く感じたので、肘内障の調整をしたところ手首の撓屈が回復し痛みも消失した。

手関節の不調も手首だけではないと言う事を考える必要がある。

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