症例

頸椎・脊柱管狭窄症5/6

頸椎・脊柱管狭窄症5

来院時の症状(12/24)

本日、セカンドオピニオンを受けたが、「脊柱管狭窄症」とは言われず、ヘルニアが少しある程度で、手術の必要は無いと診断された。前回、MRI、レントゲンを観せてもらったが、カイロプラックティク的には第二、第三頸椎の伸展制限をふくめ、動的撮影を観ると全体に動きの悪さが解る。 ご本人は医師により診断が違う事に信頼性が無いと話していた。

やはり左示指、中指の感覚が悪い。刷毛で触ると左右差があり刷毛の感じが鈍くなっているのが解る。ギターの弦を押さえるのも力が入りづらい。上部頸椎は楽になったが下部頸椎が辛さが強く感じて来ている。以前は首全体が辛かったが上部が楽になった分だけ下部の不調が解るためと思う。

本日の握力計測

施療前:Rt 17.8kg Lt 16.1kg   施療後:Rt 19.2kg Lt 17.9kg 前回より低い数字であるが施療後は数値が上がるので問題ないと考える。 腕の腱反射を行うと、左上腕三頭筋の反射が起きなかった。

 

頸椎・脊柱管狭窄症6

来院時の症状(12/28)

左示指、中指の感じは変化無し、施療当初よりは動きやすくはなっていてギターも弾きやすくなっている。ギターは8年前から練習していてギターサイズが大きいため指が使いづらく手首の負担が大きいものと考える。 頚部の調子が良くなって来たので仕事を探すためしばらく施療を休むとの事。

本日の握力計測

施療前:Rt 21.3kg Lt 18.5kg   施療後:Rt 20.9kg Lt 18.4kg

 

頸椎・脊柱管狭窄症3/4

頸椎・脊柱管狭窄症

来院時の症状(12/18) 左腕の三角筋より手までつれる様な感じとだるさがあるが頚部の感じは良くなっている。 今回より施療前後の握力を計った。前回施療後に計った時には両手とも12kgと平均よりかなり弱かった。

本日の握力計測

施療前:Rt 18.7kg Lt 15.8kg   施療後:Rt 20.3kg Lt 16.7kg

施療前後で少し変化が見られた。

骨盤は左仙腸関節の前方変位を調整

第二第三腰椎に両側に側屈制限

下部頸椎の右側屈制限 第二第三頸椎に左側屈制限→前から張っていると感じていた。

両側肩関節および手関節、指関節の調整 肩周辺の緊張が無くなってきていて、両側肩関節および手関節、指関節の調整を行うと握力が上がり指の動きがスムーズになる。趣味でギターを弾いているがまだ弦を押さえる力が戻っていないと感じている。 自宅でも肩関節のセルフケアを行わせる。

 

頸椎・脊柱管狭窄症

来院時の症状(12/21)

左腕のだるさはあるが軽くなって来ていて、肩関節のセルフケアを行うとやはり感覚がよくなっていると話している。

本日の握力計測 施療前:Rt 22.3kg Lt 19.1kg   施療後:Rt 21.3kg Lt 19.2kg

年齢別女性の平均値:26〜7kg だが、デジタル握力計によるとノーマルと出てくる。今回は右側の握力が調整後下がったが、 1kg程度であるから問題は無いと考える。

調整部位は前回と変わらないが、前回右下部頸椎の側屈制限は可動性がよくなっている。

頸椎・脊柱管狭窄症 2

一昨日施療したクライアントさん、本日来院。施療後の様子を聞くと「文字が書きやすくなった」と言っていた。本日は少しもとに戻っているとの事。が、最初よりだいぶ調子がいいようだ。
背中の筋肉の張りもだいぶ良くなっている。施療前検査では、左仙腸関節の前方変位が強く、右仙腸関節の前方変位は軽くなっていた。

頸椎は下部の左側屈が制限され、右の上部に右側屈制限がはっきりして来た。今回も持続圧で調整をする。さらに鎖骨と両側の肩関節のゆるみを調整後、手関節と各指の関節の調整を行う。施療後、指を動かす動作が速くなっている。
次回から施療前後の握力を検査する。

2015.12.16

頸椎・脊柱管狭窄症

しばらくぶりに来たクライアントさん。相談があると電話で話していた。 腕から指にかけて違和感があり、特に左手の中指の違和感が強いという事。

本日、MRIの撮影をして「神経が細くなっている」と言われ手術を勧められた。実際には狭窄症と言われなかったそうなのだが、見せていただいた手術の説明書では、脊柱管狭窄症の説明が書いてあった。

指の感覚がわるくビニール袋越しに物触ってる感じがすると話していて、力も入りづらくお菓子の袋も開けられなくなっている状態である。普段の生活が出来ないわけではないが不自由を感じているという。

施療前の検査では、首の下側が左に曲がりづらさがあるが、曲げた時に症状の悪化は無い。しかし、肩周りに筋肉は非常に張っていて凝り固まっている感じを受けた。 骨盤は両側に前方変位がある。骨盤の両側を調整後、仰向けで頸椎の触診をすると第5頸椎と第6頸椎の間に強烈な可動制限があったので、持続圧をかけていったところ、わずかではあるが可動しはじめた。脊柱管狭窄症に強い調整は行いたくないので、時速圧とマッスルエナジー法による調整を主体にしていこうと思う。

さらに検査で気づいたのは肩関節の「ゆるみ」があった。座らせて床方向に腕を引くと肩関節に隙間が出来るのが触診できる。ご本人にも確認してもらった。 手首にもつまり感が出ていたのでそれぞれの指を調整する。着替え終わって話しをしている時に、左手の指を動かしはじめ「むくみがとれて動かしやすい」と言っていた。 肩周りに筋肉も柔らかくなり、調子が悪かったため自分で力を入れて状態だったと思われる。

やはり、握力の低下など手の問題は肩関節が原因と思われる事が多く観察される。乳がんで腋窩リンパと鎖骨下リンパを切除した母も、多く腕を使うとむくみが出る事があり、肩関節、肘関節、手関節の調整を行うとむくみがとれるのだ。肩関節や手首の関節が密着すると驚くほど指の動きが滑らかになる。頸椎だけが手の不調の原因ではない事がわかる。

このクライアントさんにはしばらく施療を続ける様に話し、頸椎のアイシングを指示した。しばらく、この方の状態を書いていこうと思う。

小児まひのある方への調整

10年ほど前に来院した50歳男性。紹介者とともに来院、症状は腰痛と坐骨神経痛。 入室時右脚を引きずっていたので、「右脚ですか?」と聞くと、紹介者が「この人は右に小児まひがある」と説明してくれた。

坐骨神経痛は左側で原因は左仙腸関節の前方変位であった。小児まひのせいと思うが、右側にも同じ変位があり、こちら側は、麻痺のため歩行がしづらいためと思われる。

初回の骨盤調整で坐骨神経痛は治まったが、腰痛が残っていたため、週1回のペースで調整を続けたところ、8回か9回目の施療時、「最近、右足趾が動く様になって来た。凄くうれしい」と右足趾で床をつかむ様に動かしているのを見せてくれた。

以前はこのようなつかむ動きは出来なかったそうで、仙腸関節の調整で神経伝達が善くなるのは、調整前と後で筋力がアップする事で経験があったが、小児まひの方にこれほど効果がでるとは想像していなかった。

もちろん、小児まひが完全に回復するわけではないが動きの悪さは、まひだけが原因ではなく、動かしづらさなどで関節の密着が悪さが影響を与えてるのではないかと考えている。

足趾の冷感 バージャー病

「冷え性と思っていたら他の病気がある。」という内容のニュースを見たのだが、 来院の方にもそのような方がいた。

40代後半の男性。右脚の痛みで来院。腰痛もあり坐骨神経痛と判断して、可動性の検査をすると確かに右仙腸関節の前方変位があった。仙腸関節の前方変位は是骨神経痛の大きな原因なのだが、脚の触診をすると左母趾は温かいが右母趾に冷感があり、右足は後脛骨動脈、足背動脈の脈が触知できない。

実は問診時に感じた事だが、口臭がきつく、歯茎の色も茶色くなっている。喫煙期間もかなり長い。この時点で脚の痛みの原因は血流障害であるバージャー病ではないかと予想していた。そのため、脈の検査を何回も確認したのだ。

状況を説明をして病院の受診をすすめ、その日は通常通りの調整をした。次回、病院の検査の結果を教えて欲しいと言ったのだが、まだ受診していないとの事だったので、通常の調整をした。

正直に言うとバージャー病ならカイロプラクティックなどするべきではないと思っていたのだが、受診結果を聞きたいため、再び受診を強く勧め予約をしてもらった。 4回目に来院した時に受診して来たというので、結果を聞くと「何ともない。異常なしだったよ。」と不快そうに話してくれた。

この病院の診断に非常に驚いた。脚の痛みと足趾の冷感、脈拍の触知が出来ない。この条件で異常がないはずが無い。 結果的にこのクライアントさんは私に対する信頼をなくし以後来院しなくなった。

しかし、このような状態を異常なしと診断した方がおかしいのではないかと思っている。 ほっておけば壊疽を起こし脚を切断する事になる。その後どうなったか心配である。

牽引療法

坐骨神経痛や首の痛みやしびれがあると、現在でも牽引を行う事が多くありますが、実は牽引すると症状の悪化が起きる時があります。病院でレントゲンやMRIでヘルニアと診断された場合、痛み止め、ビタミン剤の服用で様子を見て、変化が無いと、服用しながら通院で牽引をし、さらに症状が続くと入院して、安静と牽引をして症状が消えないと手術を行う事になります。手術も背中にメスを入れて飛び出したヘルニアを切り取る方法や、ペインクリニックでは神経根ブロックや硬膜外ブロックと言われる麻酔をする方法、レーザーでヘルニアを除去する方法などがあります。

牽引そのものは病院でも医師が行うのではなく指示により理学療法士が行ってます。カイロプラクティックでも被験者を仰向けにしてタオルを後頭部にかけてゆっくり(整体などでは急激に引っ張る事がある)引いて行く方法があります。 脊柱を牽引というのは背骨を引っ張る事で飛び出したヘルニアが神経を圧迫しているのを解放しようと言う事なのですが、いくら牽引しても背骨の間が広がる事などありえません。

考えてみると引っ張った後は『立って歩いて帰る』のですから5〜6kgあると言われる頭の重さが脊柱にかかってるのですから、仮に背骨の間が開いたと言っても家に着く前に開いた隙間は元に戻るでしょう。だいたい脊柱は椎体と椎体の間を広げられるような構造になっていませんから牽引をしても無駄と思います。 実際に、大学病院病院の医師でもヘルニアに牽引は無力と言ってます。 神経は圧迫より牽引されるといたみを感じます。さらに引っ張ると感覚が低下して痛みを感じにくくなるだけです。

カイロの学校でも関節は適度な隙間が必要と教わり、テクニックでも関節を引っ張る様なことが多くあります。しかし関節は密着する事が非常に大事で、密着する事により動きが滑らかになります。そして、筋肉が働く時には関節は必ず密着するのです。よくお年寄りが「油が切れたようだ」と言ってますが、まさしくその通りで荷重がかからなくなったり関節の変位で密着が悪くなると『油が切れた』状態になり関節の動きが悪くなったり痛みの発生が起こります。

人は立って生活してますから、頭から脚に向かって重力を受けてます。腕の関節以外はすべて密着方向に力がかかっています。それが正常なのですから牽引をして関節に隙間を作る事はナンセンスと言わざるを得ません。 牽引療法で症状の悪化があった時はすぐに牽引を止める事をお勧めします。

靭帯・筋肉2

筋肉

関節は靭帯が構成していて、その関節は筋肉によって動かす事になる。筋肉は縮む事が仕事で能動的に伸びる事は無い。そのため収縮した筋肉の側に関節は可動する事になる。

ギックリ腰、寝違い、肉離れは名前が違うだけで筋肉に起きた現象としてはすべて同じであり、筋組織が急激にまたは徐々に引き延ばされ続けた状態である。 そのため、『ギックリ腰』ではくしゃみや咳、物を拾う様な動作など、筋肉に力が入っていない時に背中や腰の筋肉が引き延ばされ障害を受ける。

短距離走では膝を高く挙げ膝を伸ばす事から大殿筋からハムストリング筋まで引き延ばされ『ハムストリング筋の肉離れ』を起こす事がある。 トランポリンの様に足首でジャンプをする様な時には『腓腹筋やヒラメ筋(ふくらはぎの筋肉)の肉離れ』を起こしやすい。

就寝時、枕に頭を押し付けて頭を支点にして寝返りを打つと『胸鎖乳突筋に牽引がかかり寝違い』が起こりやすい。このように筋肉は瞬間的、または長時間かけて引き延ばされた時に障害される。

関節を安定させるために筋トレを勧められるが、筋肉が強くなるとなぜ関節が安定するのだろうか。 筋力が上がるという事は、上限が上がるという事ではないだろうか。 上腕二頭筋を鍛えるアームカールというトレーニングがあるが、仮に10kg×5回しか出来なかったのが、10kg×10回出来るになる事であり筋肉の収縮力が強くなる事であるのだが、どんなに筋力が上がっても力を入れていない時は勝手に筋肉は収縮しないはずである。

テレビで肩の関節が緩くなっている女性の話しがあった。肩関節を真横に挙げていく外転という動作をさせた時のレントゲン写真は、上腕骨頭が関節窩から下方にズレ込んでいる状態が写っていた。解説している医師は「スリッピング」と表現していた。

この女性の肩関節を治すために、インナーマッスルを鍛えると良いといって、肘を曲げた状態で前腕を内側と外側に動かす(肩関節の内・外旋)運動をさせた。 私の所では風呂につかった状態で同じ運動を勧めている。水の抵抗がちょうど良いようである。

10日ほどその運動を続けた後で再びレントゲンを撮影すると、下方に落ち込んでいた上腕骨頭が持ち上がって正常な位置になっていた。 その説明として「筋肉を鍛えて下方に下がっている腕を強くなった筋肉で引き挙げている。」と言っていた。

しかし、ぶら下がっている腕を勝手に随意筋であるはずの体幹筋が重力に逆らって引き上げるものだろうか。 体幹筋である以上、脳からの指令が無くては収縮する事は無いはずである。 だが、現実に関節は正常な位置に戻っていた。

これは筋力が強くなって腕を引き上げたのではなく、筋肉を使う事によって筋肉の長さがもとの長さに戻ったという事と考えられる。 レントゲン写真で明らかに腕が関節から下方にズレ込んでいるのが解るという事は、すでに靭帯が引き延ばされている状態だと言える。当然筋肉も靭帯が伸びた分だけ引き延ばされているはずであり、筋トレは引き延ばされた筋肉の長さを『元の長さ』に戻す事ではないだろうか。なにしろ体幹筋は脳からの命令が発せられなければ収縮する事は無いのだから。

また、靭帯が引き延ばされた肩関節はいくら筋肉を鍛えても、ボールを投げた時に腕も放り投げている状態で肩関節は引きはがされる様になります。バレーボールのアタッカーも腕を引っ張ると肩関節が外れる様に腕が伸びる事があり、ボールの投げ終わりやアタックの打ち終わりは肩に痛みが出ます。そのため、テーピングは肩関節を密着させる様に貼ると普段の生活で楽になります。

さらに、膝関節の痛みは大腿四頭筋を鍛えて不安定をなくす事が良いとされているが、ある整形外科の医師が書いた本なかに、「靭帯を痛めた膝関節は身体が膝関節を休ませるために内側広筋を萎縮させている。」とある。実際、自分自身も左膝関節を痛めた時に、外側広筋が萎縮して見た目にも左脚が細くなっていた。この本を読む前は、なぜ外側広筋が萎縮したのかが解らなかったのだが、身体自身がこの様な事をしていると知ると納得ができる。

これは膝関節に限った事ではなく、関節を痛めると筋萎縮も神経の問題で筋力の低下が起こる事がよく観察される。 以上の事は、筋力トレーニングが悪いとか必要がないという事ではなく、関節を安定させている理由が『筋力アップしたのではない』と言う事と考えている。そして。トレーニングによってついた筋肉量はトレーニングを続けていかなければ維持は出来ない。筋トレをさぼればついた筋肉はとたんに無くなっていき、元の筋肉量に戻る。このもとの筋肉量というのは普段の生活の中で必要な筋肉量ではないかと思う。自分の経験で言うと、追突された3年後、頸椎の調子が悪く右腕のしびれ、上腕三頭筋の萎縮があったが、頸椎の調子が戻りしびれが消えた時に、筋肉の萎縮はなくなり元の筋肉量に戻った。したがって、現在の筋肉量は現在の生活に必要な筋肉量ではないかと考えている。もちろん運動が悪いとか筋トレの必要がないというつもりはまったくない。

普段からよく歩いて身体を甘やかさない様に動く事は必要な事で、それを行っていけば無理に筋トレをする事は無いと考える。

 

靭帯・筋肉

1.靭帯って?

骨と骨を繋いでいて『関節』を作っていて、多くは膠原繊維と呼ばれるもので、引っぱり強度が非常強いが、一度伸びてしまうと元に戻らない。 捻挫は靭帯が伸びてしまう事で、程度によるがひどい場合は関節が不安定になり可動時に痛みが伴なう。

症例

1)足関節

①足首を内側にひねる内反捻挫は経験した方も多いでしょう。この場合は、足首の外側にある、踵腓靭帯や前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)、後距腓靭帯(こうきょひじんたい)が引き延ばされる。

②サッカーの練習でボールに乗って転倒した方がいたのだが、足首を外側にひねる外反捻挫で足首の内側にある三角靭帯を引き延ばし、ギプスで固定をし、ギプスをはずした時に可動性回復の手術を検討していた。

アイシングとテーピングをして足関節の位置を調整していく。

2)肩関節

ボールを投げるスポーツでは肩を構成している靭帯が徐々に引き延ばされて肩関節が緩くなり痛みのためボールが投げられなくなる事がある。その他では転倒や重量物の移動時などで靭帯を引き延ばしたり弾裂が起こる。

自分自身の経験では肩関節前方の靭帯を障害されると完全脱臼ではないが肩関節の前方脱臼が起こる事があった。

アイシングとテーピングで安定させて肩関節の調整および筋力トレーニングをすると痛み軽減していきます。

3)膝関節

①スキーの転倒で右膝関節の内側側副靭帯断裂では膝関節が内側から外側に動き、外転テストでは過可動性とともに痛みが発生する。

この方は歩行時の段差なども気をつけていた。 骨盤と膝関節の調整を行い、特に痛みが無くてもアイシングをして頂いた。

②膝蓋骨を安定させている内側膝蓋支帯と外側膝蓋支帯という靭帯の内側膝蓋支帯弾裂の方では、膝を曲げた時に膝蓋骨が外側に落ちてしまい、膝を伸ばそうとする時は膝蓋骨を手で正面に戻す様にしないと、膝蓋骨が引っかかって伸ばす事ができなくなっていた。

この場合は膝蓋支帯の手術が必要となる。

③体操競技の鉄棒から落下で膝関節を過伸展して、前・後十字靭帯の両方を引き延ばした方の膝は、膝関節を90°屈曲した状態で大腿骨に対して脛骨が前後に大きく可動してしまい、歩行時は跛行していた。この方は膝関節を安定させるために普段よりスクワット等の筋トレをしていた。

 

残念な事に一度引き伸ばされた靭帯は手術でも完全な元の状態に戻す事はできない。受傷直後にはアイシングが重要で、軽症の場合なら関節を調整しテーピングし、重傷ならギプスによる安定が必要となります。

 

次回は筋肉です。

頸椎の痛み、腕の痛みは頸椎ヘルニアが原因?

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以前、施療に来ていた方から「頸椎ヘルニアってって言われたけど、どうですか?」と問い合わせがありました。MRIで第五頸椎と第六頸椎の間にヘルニアがありそれが神経を圧迫している。と診断されたそうです。

症状を聞くと頚と左腕の痛みで、病院ではMRIの他は握力の検査のみで、左手の握力が低下していた。処置として痛み止めとビタミン剤で様子を見るという事。 来院して頂き握力の検査を行った所、右手60kg 左手25kgという事で、腕のしびれも強く頸椎を後ろに倒すと症状の悪化がありました。

施療は通常通り、骨盤、腰椎、頸胸部(第七頸椎と第一胸椎)、第一肋骨および頸椎の調整を行った所、頸椎の痛みや腕のしびれは変化無かったものの、頸椎の伸展度が大きくなり、握力は10kg程度アップしました。

7、8回の施療で頸椎の痛みも無く可動性も増して、腕の痛みやしびれは無くなり、握力も45kgくらいで安定していたのですが、頸椎調整後に握力が下がる事があり、原因が分からずにいたのですが、ふと肩関節を検査すると左肩関節の『ゆるみ』があり、肩関節の調整を行なうと、左手の握力が50kgに上がりました。 その後は肩関節を主体にして調整をしていき、病院での診断は、いたみ、しびれが無く握力50kgだったため治療終了になり、こちらの施療も終了しました。 できれば病院で治療終了する前にもう一度MRIを確認して頂きたかったのですが、再検査は行われませんでしたのでヘルニアの状態を確認する事は出来ませんでした。

カイロプラクティックに係らず、手技療法と言われる方法では腰椎ヘルニアや頸椎ヘルニアが消失する事はありえません。 今回の症例で解る事は、頸椎の痛みや腕のしびれは頸椎および頸胸部の調整で落ち着いてきて、握力は頸椎の問題もありますが、一番の原因は肩関節の『ゆるみ』に起因するものでした。 ヘルニアで坐骨神経痛や腕の神経痛はほとんど関係ないと考えられます。

手術を勧められてる方は一度ご相談下さい。

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