つま先を引きずる様に歩いたり、平らな所でつまづく事がある方に対して、つま先が持ち上がった様な靴や、つま先を引き上げやすい靴下など歩くためのアイテムがいろいろあったり、または引きずるのは筋力が弱いからと、筋トレを勧めるのが一般的である。
しかし、関節の密着が悪くなると神経の伝達が悪くなったり、筋力低下が起きる事がある。特に仙腸関節の密着が悪いとその側の下肢の筋力全体が弱くなる事を多く診ている。股関節や膝関節、そして足関節のゆがみやゆるみがあっても筋力低下は起こる。
足首やつま先を持ち上げる筋肉は長母趾伸筋や前脛骨筋といい、脛骨(すね)の上の方の外側にある。その筋力低下がある方の多くは筋量に左右差が無いにも係らず、筋力低下が起きている事がある。前述した様に関節のゆるみがあると、この様なことが起きやすい。
したがって骨盤や下肢の関節のゆるみを調整する事で解消できる事が多い。仙腸関節を調整すると筋力の回復は顕著に現れる。そして、関節の良い状態を維持するためにはしっかり歩く事である。 歩くために靴や靴下の着用はよいと思うが、それよりもひも靴のひもをきちんと締めて踵が浮かない様にして歩く事が大事で、よく一日一万歩と言われるが、歩数ではなく30分から40分程度を連続で早歩きの必要がある。
最初から30分以上の早歩きは大変であるので、速度を落としたり、時間を短くして始めると長続きする。そして、歩くと言う事は運動ではなくヒトとして二足歩行するという基本の事である。通勤等で時間や距離に制限があるだろうが、なるべく毎日歩く事をお勧めする。