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膝の痛み

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先だってより左股関節と右膝関節痛で施療しているクライアントさんが、膝関節と脊柱のレントゲンを持参して来院した。

右膝関節は膝の内側の痛みでレントゲン上では関節内側の隙間が少なくなっているがこれと言った問題は無い。病院の診断でも異常なしと言われた。

しかし、触診では関節に腫脹があり水が溜まっている。可動性の検査では大腿骨に対して脛骨の内旋に可動制限がある。膝の痛みを訴える方の多くは内旋が出来ない。内旋が出来ないと膝関節は完全伸展が出来ず、いわゆる屈曲膝と言われ、この状態が長く続くと関節の変形が起こり機質的なO脚になっていく。

この方の膝の痛みは左股関節痛が軽くなったため、軽いウオーキングをしてから痛みが強くなったと言っていた。おそらく左股関節痛のため右に加重して歩いていたのが、本の僅かではあるが、左脚に加重でき手歩き方が変わったのが原因と考えている。

また、脊柱のレントゲンを見ると第12胸椎と第1腰椎がすでにくっついてしまっているので腰椎のゆがみを完全に調整する事は適わないため、可動できる腰椎の調整を続けている。

現在は、自宅でアイシングをして週二回ほど調整をしている。痛みが少ないときもあるが、仕事でかがむ事も多く痛みが強くなる事もあり、ゆっくり歩いている。 股関節の痛みは続いているのだが、最初の痛みよりだいぶ軽くなっているので、骨盤、腰椎、股関節および膝関節の調整を続けていく。

頭を後ろに倒すと首に痛みが出る時は。

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頸椎の伸展に制限があると頭を後ろに倒せなくなる。痛みが無い間はあまり不自由は無いのだが、制限が強くなると痛みが出て、痛みのため首を動かす事が出来なくなる。

年末に大掃除をしていて、電球の交換時に上を向いたら首に強い痛みがでて、以後痛みで首を動かせない方が来院した事がある。この方の場合は頸椎の調整をする事で痛みを回避できた。

上を向く動作と言うのは日常生活の中であまり多くは無いので、頭を後ろに倒す事が出来ないのに気がつかない場合がある。例えば缶の飲み物が最後まで飲みきれない。と言う場合がある。コップで飲む時にはコップの中に鼻が入るのであまり頭を後ろに倒さなくても飲む事が出来るし、ペットボトルならボトルをくわえているためボトルを傾ければ飲む事が出来る。しかし、缶は鼻が当たるため頭を後ろに倒さないと最後まで飲みきれない。この様な場合、痛みが無いとあまり気にしていない方もいるのだが、これは頸椎の伸展に制限が出ている証拠である。

こういった症状がある時には、なるべく早いうちに頸椎の調整を行うと頭を後ろに倒しやすくなる。またあまり痛みが無い場合なら、自宅で簡単な動きを行う事で動きの制限を軽くする事が出来る。

方法

1.頭を後ろに倒し、左右を交互に向く。

2.頭を前に倒し、左右を交互に向く。

3.頭を右に倒して、左右を交互に向く。

4.頭を左に倒して、左右を交互に向く。

ゆっくりと痛みが出ないくらいで行って頂くとよい。

※頭を後ろに倒して腕や脚の感覚が無くなったりしびれが強くなる場合は、頸髄症の疑いがあるためすぐに病院で検査を受ける事をお勧めする。

O脚矯正? 〜O脚矯正の危険性〜

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O脚の話しを20年ほど前にある研究会で発表した事がある。O脚には「機質的O脚」と「機能的O脚」の二種類があると考えている。

機質的というのは、遺伝的な骨格や事故、加齢による変形。機能的と言うのは関節に何かの障害が起きて正常な可動域が確保されていない。と言う事と思っている。

したがって、機質的O脚では程度によるが矯正の効果はあまり期待できないと思う。 機能的な場合は、全身的な調整である程度のO脚は軽くなっていくだろう。「全身的な調整」と言うのは膝の調整だけではなく、膝関節の可動制限を起こしていると考えられる、骨盤、股関節や足関節などを調整していく事である。

O脚の方の骨盤を検査すると多くの方に仙腸関節の前方変位があり、前方変位があると股関節の内旋変位(つま先が内側に向く)しやすく、膝関節の屈曲(曲がっている事)があり、足首は内反変位して、脚の外側に体重がかかって歩いている事が多い。また、O脚の方はあぐらをかきづらく、正座の方が楽と言うのが特徴である。

一般的にO脚矯正をしているところでは、足首を押さえて膝関節を内側に押す様な事をしている事が多く、また、空気が入るシート状物を膝に巻き、高圧の空気を入れる事で膝関節を内側に押し付ける様な事をしているのだが、これは非常に危険な事である。 膝関節の内側には「内側側副靭帯」という靭帯が付いていて、大腿骨に対して脛骨が外側に動かない様になっている。スキー等でこの靭帯を損傷した方では、脛骨が外側に動き膝関節の不安定と痛みを訴えている。

他のブログのページにも書いた事だが、靭帯は一度伸びてしまうと程度にもよるが元に戻る事は無い。そのため膝関節を内側に押し付けると言う方法は膝関節を壊す危険はあってもO脚が矯正される事はなく、外力により強制的に捻挫を作っている事で、絶対にやってはいけない事である。くれぐれも注意を願いたい。

O脚の調整は前述した様に膝関節だけではなく、骨盤、股関節も一緒に可動性の調整を行い、日頃の歩行が非常に大切になる。いずれにしても骨の形を少しづつ変えていく必要があるため、調整を繰り返し、他人任せではなく普段からしっかり歩行を行い、調整後や歩行後にアイシングが大切である。

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