電話オペレーターの方が頚部の痛みを訴えて来た。パソコンを見ながらの仕事と言っている。慢性的に痛みがあるが、一昨日くらいからとても痛みが強く頭痛も出ている。気持ち悪いときもあるそうだ。
骨盤から検査をしていくと、左仙腸関節の前方変位が強い。頸椎の下部は右に倒れづらく、上部は左に倒れづらくなっている。さらに第一頸椎は右側に側方と回旋変位を起こしている。通常上部頸椎が左に倒れづらい時には第一頸椎も左側方と左後方に変位が起こるのだが、10年前に自転車で転倒して顔面を強く打っている。前歯も折れて裂傷もあったそうだ。
交通事故と同じで頭部に強烈な衝撃があると頸椎には何かしらの影響が出てくる。以前も、自損事故でフロントガラスに頭部を打ち付けてから頭痛が出る様になった方がいたが、頭部を強打する事で第一頸椎の変位が起こり頭痛の原因になる事がある。
この様な場合は、頸椎の調整が必要になるが、自宅では頚と後頭部の間をアイシングすると頭痛の緩和に繋がる。 また、今回のクライアントさんは頚部痛だったため、調整後自宅で頚部のアイシングをして頂く様にした。
病院では頚部痛の時には頚部の牽引を行うが、腰部も頚部も牽引はお勧めできない。場合によっては症状が強くなる事がある。直立二足歩行の人間の頭や腰を引っ張っても、建って歩くのだから牽引の意味は無いと考えている。
ゴールデンウィークで運転している方が多いだろうが、最近はほとんどの車がオートマティックになっている。ワンボックスであると膝が前に伸びず、仕事で使っている様な椅子に座っている形になる。
そして、オートマティック車では左脚を使う事が無く、床を踏みつけている事が無いので、膝の関節が「浮いている」様な感じになる場合がある。 この状態が長く続くと、降車時に膝が痛む事がある。クラッチ操作があるとそれなりに膝の曲げ伸ばしがあるため痛む事は少ない(最も渋滞でのクラッチ操作はかなり辛いものがあるが)。出来れば2時間くらいで休憩を取り4〜5分歩く事をお勧めする。
運動等で膝を痛めた事のある方はこの症状が出やすいかもしれない。関節には力が加わっていないと潤滑が失われてしまい、動かすと痛みが出やすくなる。 歩く事で潤滑が回復して痛みが軽減される事になる。
そして長時間の運転では運転者だけではなく同乗者もエコノミークラス症候群の発症に気をつけなければならない。場合によっては数時間も座っている事になる。集中力が続くのもおおよそ2時間くらいと言われている。
安全のためにも健康のためにも休憩しながらのドライブをお勧めする。
週一回で調整をしているクライアントさんが、入室するなり左足首を捻挫したと言ってきた。近所に買い物をしにいったところ、道路工事をしていて、段差は僅かだったが、左足首を内反捻挫してしまったそうで、あまりひどいと思わないでいたが、帰り着くと思ったより腫れていた。アイシングをしてもまだ腫れていると言う。
関節とは靭帯が骨と骨とを繋いで作られていて、この靭帯が引き伸されると炎症が起き痛みが出る。程度にもよるが、一度引き伸された靭帯は元には戻らない。関節を構成している靭帯は繊維性靭帯と呼ばれ布と同じである。そのため長く履いているズボンの膝が伸びてしまうと元に戻らなくなるのと同じ事になる。 そのため、部位にも程度にもよるが、骨折の方が予後がよい場合がある。
以前も書いた事だが靭帯がのびると、関節は可動域が大きくなってしまい不安定になってしまい、感覚の低下や筋力低下が起きる事もある。また捻挫は時間経過で治っていく事は無い。 そのため初期の治療が非常に重要となる。
今回の場合は捻挫してからあまり日が経っていなかったため内反しているかかとの骨を調整したところ立ちやすくなり、歩きやすいと言っていた。自宅でアイシングをしてもらい、次週また調整を行う事にした。
捻挫をした場合、関節の固定とアイシングが一番だが、受傷の程度によっては骨折も疑われるため専門医の受診をお勧めする。 たかが捻挫と思って甘く見ない様にご注意を!