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関節は動くだけ?

joint

関節は靭帯で繋がれた二つ以上の骨で作られていて、筋肉の作用で可動する。しかし、関節と言うのは可動するだけではない。

関節がゆるくなったり変位が起きると障害を受けた関節から先の関節の動きが悪くなったり筋力低下が起きる。 筋力低下は筋肉を使わなかったり加齢によるものとされていて、筋力を補う様なタイツなども販売されている。

確かに年を取ると若い頃の様な筋力は無くなるが、関節の障害は年齢には関係なく筋力低下を起こす。平らな所でつまづく、階段で脚が挙げにくいなど。骨盤に変位が起こると仙腸関節と言う関節にゆるみが起こり、関節の密着が悪くなる。この関節がゆるくなると、下肢の筋力が低下する。特に長母趾伸筋と言う筋力低下が起こるとつま先が挙げにくくなりつまづく原因になる。仙腸関節を調整すると長母趾伸筋の筋力が上がる事を多く経験している。

頸椎ヘルニアと診断され、握力測定をすると左側の握力が右の1/3程度になっていた事があったのだが、頸椎の痛みや手のしびれが無くなっても握力の低下は変わらなかった。しかし、肩の関節のゆるみを調整すると握力が元に戻った事もあった。

また、頸椎の痛みで神経障害が起こり示指の冷感、感覚低下が起こり上腕三頭筋の萎縮が起きた方では、筋トレをしても筋量が戻らず、頸椎の調整を行ったところ指先の冷感、しびれも治まり、筋量はトレーニングをせずにもとの量に戻った事もある。 膝関節が悪くても足趾の筋力低下がある。

この様に関節は神経伝達や筋力のコントロールを行っていると考えられる。以前書いたが、膝関節を痛めた時に、膝は筋肉量を落として関節を休ませる様にする。これも他の関節にも同じことが起きている。そのため、筋トレは関節を休める事が出来ず、却って関節を痛める事に繋がりかねない。
したがって、筋トレや筋力補正をするよりも、関節の調整を行う事が非常に大切になる。トレーニングは関節調整後に行うと効果的である。

関節を痛めた時には筋トレというけど?

Mid adult man, lifting weights, rear view

関節は靭帯で構成されていて、複数の骨と骨をしっかりとつなぎ止めている。前回書いた様にこの靭帯が事故やスポーツ障害で、衝撃的な力がかかったり、同じ部分に同じ様な力がかかる様な作業を慢性的に続けていて徐々に靭帯が引き伸されていった場合、関節がゆるくなり不安定となる。

一般的に痛めた関節を保護するためには筋肉を鍛えると言うのだが、筋肉を強くして関節を安定させると言うのは違うと考えている。筋肉を鍛える事が悪い事とは思っていないが、体幹筋は随意筋である以上、自分の反射を除くと意思で筋肉に力を入れてなければ、筋肉は収縮しない。しかも、筋肉を強くすると言う事は最大の筋力が上がるだけで、脱力時の筋力が上がってるわけではない。

例えば、ボールを投げた時には手からボールが離れた瞬間から振り切るまでは、肩の筋肉には力が入っていない。そのため、腕を一緒に投げているのと同じ事になり、靭帯は徐々に引き伸され、肩関節はゆるくなっていく。

膝関節では大腿四頭筋が弱くなると膝の痛みに繋がると言って足首におもりを付けて膝の曲げ伸ばしを行っているが、膝関節は立っている時には重力で膝関節が押し付けられているので、筋肉が収縮しなくても不安定になるとは思えない。もちろんオーバーウエイトや指関節に変位があると痛みは強くなるの言うまでもない。

前述した様に筋トレが悪いと言う事ではなく、筋トレの意味合いを知る事は大事であると思う。筋肉を使う事で筋肉の長さが元に戻るのではないかと考える。靭帯が伸びていくと当然筋肉も引き伸されるのだから、との筋肉を使わないでいると筋肉も長くなっていくだろう。その予防のために筋トレは効果的だと思う。

トレーニングと言うより日頃から筋肉をよく使う事が大事になる。一番よいのはよく歩くと言う事であり、散歩程度ではなく、靴ひもをしっかり締めて、軽く肘を曲げて、大股早歩きを意識して、一日1万歩ではなく、連続で30分くらいを目安で歩く事をお勧めする。

靭帯の強さは体の強さ

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「体の強さ」病弱と言う意味ではなく、頑健と言う意味で考えてみると、筋肉は鍛えれば筋量も筋力もアップする。だが、靭帯は一度損傷すると治る事は無く、その関節は不安定になり無理は出来なくなる。

靭帯の強さは遺伝要素で決まると考えている。いくら鍛えても靭帯が強くなる事は無い。靭帯が弱いと関節の不安定が起こりやすい。柔軟体操を繰り返しても柔らかくならない方は、ある意味で靭帯が強いのかもしれない。

残念な事に靭帯が弱い方はスポーツには向かない。トレーニングで関節を痛める事になる。少年野球やバレーボールなどのクラブチームで頑張っているお子さんは一生懸命練習をしているのだが、体を壊してやめるお子さんも多くいる。

プロスポーツを引退した方がよく言うのだが、鍛えれば体は強くなる。とか、自分は他人には出来ない様な練習をしたから良い成績を得られたと言うのだが、多くの子供たちはそうはならない。過酷な練習に耐えられる体=靭帯を持っていて自分にあったスポーツを選んだからこそと思う。

トップクラスのスポーツ選手は生まれつき靭帯が強く回復力も強いのだろうし、遺伝とともに成長期の食事も大いに関係するだろう。 スポーツをしている方や指導している方達は靭帯についてよく考えて頂きたいと思う。決して無理をしてはならなず、楽しいくらいの練習に止めるべきであろう。

もちろん過酷な練習をこなさなければトップに立てない事も確かな事なのだが、関節調整を生業としている身では、関節がゆるくなっている
方は施療が大変なのである。 関節に痛みなどがあれば早いうちにご相談を。

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