気になる事がある。赤ちゃんを抱っこしているお母さん。赤ちゃんの首を見てますか?
近頃の抱っこひもは赤ちゃんの頭をすっぽり包み込む様に肩ひもに生地を取り付けられる様になっているが、この生地の部分を使わない時に頭の当たる部分が赤ちゃんの首の部分に当たっていて、眠っている赤ちゃんの首が完全に後ろに倒れているのを見た。
お母さんは上のお子さんの手を引きながら小走りをしていたのだが、赤ちゃんの首は抱っこ首に当たる部分でテコの様に首が支点になって揺れている。
これは非常に怖い状態で、衝撃で頸椎を痛め、頭はガクガクと揺れて揺さぶり症候群と同じ様になっている。赤ちゃんの骨はまだほとんどが軟骨であるため、絶えずこの様な状態の置かれると壊れてしまう。充分注意して頂きたいものである。
首が痛くなると頭を後ろに倒しづらくなる。と相談された。
頸椎の関節は第一頸椎と第二頸椎の間を除くと、屋根瓦のように重なっている。これは胸椎も同じ構造であるが胸椎は肋骨がついてるため頸椎の様に大きな動きは出来ない。
頭を後ろに倒すというのは、椎体が後ろに倒れるという事(伸展と言う)、その時、椎体の関節(椎間関節と言う)の動きは上にある椎体が下の椎体に対して滑り落ちる事になる。言葉で書くと非常に解りにくいのだが、施療時には骨格模型で説明している。
この関節の動きが悪くなるというのは、関節の潤滑が悪くなるという事で、潤滑が損なわれるとすべりが悪くなるので、関節は無理に動く事になり、痛みを感じる様になる。 いわゆるストレートネックの方は首を後ろに倒す事がやりづらい場合が多い。
骨盤のゆがみから体が傾く事が多く、頸椎は脳を水平にしようとしてゆがみを立て直すため頸椎自身が傾いてしまう。また仕事の姿勢などで同じ方向に傾いていると傾いている部分の潤滑が損なわれる事になり関節の動きが制限される事で首を動かした時に痛みを感じる事になる。
首が後ろに倒しづらくなると、カンの飲み物が最後まで飲めない事がある。痛みが無くてもこの様な事があるなら頸椎、骨盤等の調整が必要で自宅ではアイシングを行うと痛みの軽減になる。
以前より来ている方から、お子さんとサッカーをしていて、足を滑らせて尻餅をつきお尻の右側を強く打ち、その後、胸の真ん中が痛くなり、深呼吸や仰向けで痛みの増悪があると相談があった。 胸を打っていないし、打撲の跡も無く腫れも無い。と言う事なので、こちらに来て頂いた。
胸を見ると確かに腫れも無いし痣にもなっていない。軽く叩いてみると痛みが出るが、転倒した時には右手をついて背中は打っていないと言う事なので骨折の疑いは無いと判断して施療を行った。
骨盤を検査すると、やはり右坐骨を強く打ったのだろう。右寛骨の後方変位があった。過去の施療記録と比べても、今回の後方変位は転倒によるものであると思われる。普段は左寛骨の前方変位があるため、両側の調整と頸胸部および頸椎の調整を行い、胸部はテーピングをしてアイシングを指示。
脊柱側弯症の方なので、腰椎、胸椎は調整の効果が少ないため、骨盤と頸椎とでバランスを取って、胸の痛みはアイシングにより自然治癒をさせていく。 普段は首の痛みが強くなると予約して頂いているが、今回は骨盤の施療をしっかり行いたいので、数回通ってもらう事とした。
また、今回は尻もちをついた時に手を着いているので、右肩関節と右母指に痛みを訴えていた。これは調整を行うと痛みと可動制限は無くなった。
簡単に尻もちと言うが骨盤に与える影響だけではなく、他の部位まで痛める事があるので、充分注意して、もし尻もちをついた時にはなるべく早いうちに調整行う事をお勧めする。