主訴はギックリ腰で来院したクライアントさん。ギックリ腰の他にも頚部痛と頭痛を訴えている。 普段から腰痛があり、検査をすると左仙腸関節の前方変位と腰椎が後弯している。
今回のギックリ腰は二日続けて調整して症状の軽減があり、二日後の調整でおおよそ痛みは無くなって来た。調整は続けていて、昨日来院時には左仙腸関節付近に時々チクっとした痛みがある程度になっている。
頚部痛は、ワイシャツにネクタイだと首が固定されるようで、特に痛みが強く頭痛も出ると言っていた。頸椎の検査では下部頸椎左側の可動性が少なく、右に傾いており、上部頸椎は傾いた首を元に戻す様に左に曲がっている。この様な曲がり方は一般的であるのだが、傾きのため第一頸椎の回旋変位が起きて頭痛の原因になる。
頭痛も頸椎の調整をする様になってから、頭痛薬を飲まずにいるそうだ。頭痛薬を常用すると痛みに敏感になりわずかな痛みでも薬を飲まなくてはならない様になると言われている。
頭痛だけではないが痛みが続いていたり強くなる場合は、必ず病院での診断が必要であり、病理が無い場合はカイロプラクティックの調整は効果的である。
肩こりを始め、首から肩にかけて張りなどの症状がある場合は肩甲骨を動かすと症状の軽減がある。メスメディアでは肩甲骨はがしというものをよく見かけるが、肩甲骨まわりの筋肉をほぐそうとするよりも鎖骨を動かす様にする事がより効果が良い。
肩甲骨が体幹と繋がっているのは肩鎖関節と胸鎖関節なのだが、大きく動くのは胸鎖関節であり、この関節の動きが少なくなると肩甲骨の可動域が少なくなる。肩こりの方の胸鎖関節を触診すると動きの左右差や可動域の現象が多く観られる。 本来であれば胸鎖関節の動きを確認して動きが悪い方を調整すれば良いのだが、セルフケアでは全面的に動かす方法が良いと思う。
椅子に座っている時には、肘を外側に肩の高さまで挙げて、肘を後ろに引いて行くのだが、肩の関節で腕を動かすのではなく、左右の肩甲骨をくっつける様な感じで肘を引いて行く。胸を開くという表現をする方もいる。それほど強い力でなくてよく、3〜5秒程度止めてストンと脱力する。これを3〜5回程度行い、次は肘を前に押し出して腕を交差させる様にして3〜5秒止めてストンと脱力をする。こちらは胸をふくむと表現している。
仰向けでも同じ方法で行える。肘を外側に開いて肘を布団に押し付ける様にすると肩甲骨がよく動く。そのまま肘を身体の前で交差する様にする。 就寝前とか起床時に簡単に行えるの肩こりがある方はお勧めする。
パソコンのモニタの位置だが、高さもさることながら左右に対する位置も重要と思う。高さに関しては先だって書いた椅子とデスクの高さを決めてからモニタを目の高さになるように設定すれば良いと考える。
以前施療した女性で証券会社勤務の方の話しでは、3台のパソコンを使っていて、一番多く使うパソコンは自分の左側にモニタとキーボードがあるそうだ。モニタが乗っている台は引き出しが着いているので膝がぶつかりモニタに真っ直ぐ向く事が出来ないと言っていた。首と上半身を左に捻って作業をしている事になる。 この様な状態を長く続けていると当然の様に脊柱のゆがみが出る。
この女性は特に第一頸椎の左後方変位が強く出ていた。ゆがみというのはセオリーがあり、セオリーから外れている場合は、事故、スポーツ障害が多く見られるが、この様に長時間の作業姿勢を維持してもセオリーから外れる事もある。 第一頸椎の変位があると頭痛や目の奥の痛み、まぶたの痙攣、耳鳴り、肩こり、頚部痛などが起きやすくなる。この様な場合骨盤や頸椎の調整を繰り返しても、毎日の仕事の姿勢のため調整の効果が少なくなってしまう。
いろいろ条件があるのも解るが、やはり少しでもよい状態で仕事をしなければ効率も悪いし身体にも良くない。モニタの高さ、位置を考えてもらえるといいのだが。