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小児まひのある方への調整

10年ほど前に来院した50歳男性。紹介者とともに来院、症状は腰痛と坐骨神経痛。 入室時右脚を引きずっていたので、「右脚ですか?」と聞くと、紹介者が「この人は右に小児まひがある」と説明してくれた。

坐骨神経痛は左側で原因は左仙腸関節の前方変位であった。小児まひのせいと思うが、右側にも同じ変位があり、こちら側は、麻痺のため歩行がしづらいためと思われる。

初回の骨盤調整で坐骨神経痛は治まったが、腰痛が残っていたため、週1回のペースで調整を続けたところ、8回か9回目の施療時、「最近、右足趾が動く様になって来た。凄くうれしい」と右足趾で床をつかむ様に動かしているのを見せてくれた。

以前はこのようなつかむ動きは出来なかったそうで、仙腸関節の調整で神経伝達が善くなるのは、調整前と後で筋力がアップする事で経験があったが、小児まひの方にこれほど効果がでるとは想像していなかった。

もちろん、小児まひが完全に回復するわけではないが動きの悪さは、まひだけが原因ではなく、動かしづらさなどで関節の密着が悪さが影響を与えてるのではないかと考えている。

足趾の冷感 バージャー病

「冷え性と思っていたら他の病気がある。」という内容のニュースを見たのだが、 来院の方にもそのような方がいた。

40代後半の男性。右脚の痛みで来院。腰痛もあり坐骨神経痛と判断して、可動性の検査をすると確かに右仙腸関節の前方変位があった。仙腸関節の前方変位は是骨神経痛の大きな原因なのだが、脚の触診をすると左母趾は温かいが右母趾に冷感があり、右足は後脛骨動脈、足背動脈の脈が触知できない。

実は問診時に感じた事だが、口臭がきつく、歯茎の色も茶色くなっている。喫煙期間もかなり長い。この時点で脚の痛みの原因は血流障害であるバージャー病ではないかと予想していた。そのため、脈の検査を何回も確認したのだ。

状況を説明をして病院の受診をすすめ、その日は通常通りの調整をした。次回、病院の検査の結果を教えて欲しいと言ったのだが、まだ受診していないとの事だったので、通常の調整をした。

正直に言うとバージャー病ならカイロプラクティックなどするべきではないと思っていたのだが、受診結果を聞きたいため、再び受診を強く勧め予約をしてもらった。 4回目に来院した時に受診して来たというので、結果を聞くと「何ともない。異常なしだったよ。」と不快そうに話してくれた。

この病院の診断に非常に驚いた。脚の痛みと足趾の冷感、脈拍の触知が出来ない。この条件で異常がないはずが無い。 結果的にこのクライアントさんは私に対する信頼をなくし以後来院しなくなった。

しかし、このような状態を異常なしと診断した方がおかしいのではないかと思っている。 ほっておけば壊疽を起こし脚を切断する事になる。その後どうなったか心配である。

浮き趾 その2

足をそろえて立てない方が踵の高い靴を履いているのを見て質問した所、「踵の高い靴は踵に寄っかかる事が出来る」と言っていた。 踵が高いという事はつま先立ちになっている状態で、踵が高くなった分だけ荷重が前に移動する事になり立ちやすくなったものである。靴を脱いでる時は脚を左右に開き荷重のかかる部分を広くしていたり、腰を前に突き出して荷重を前にして立っているのが見受けられる。

浮き趾は筋肉の強さとか猫背が原因と言う話しもあるが、普段からの歩行不足が原因で仙腸関節の変位が起こり後ろ荷重が発生して足をそろえると後ろに倒れたり、浮き趾状態になって行く。このような方達の骨盤を調整すると足をそろえて立てる様になり、足趾に力が入って地面にしっかり着いていく様になる。 来院者の中には、特に年齢が高い方で体操のような運動をしてるから歩くのは嫌だと言う方もいるが、必要なのは運動より日頃の歩行が大切と思う。

 

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余談になるが、元自動車整備士の目から見ると、腸骨は自動車のエンジン内のクランクシャフトに着いているバランスウエイトとよく似た形になっていて、機能も同じく動的、静的のバランスを取る様になっている。

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