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扁平足と外反母趾

自分自身の左足が扁平足で外反母趾がある。扁平足に気づいたのはカイロプラクティックを開業してからになる。

外反母趾は22〜3年ほど前の第五中足骨骨折時、レントゲンを観ていた医師についでに聞いた所、「大丈夫じゃないですか」と言いつつ分度器を出してレントゲンに線を引き、「あ〜、外反母趾ですね」と言った。第一中足骨と母趾基節骨の交点の角度が20°になると外反母趾と判定される。とその医師が言っていた。

扁平足と外反母趾はどちらか一つではなく両方が出現する。扁平足の原因は個人の靭帯の強さも関係するが、体重が左右に偏っているためだと考えている。 骨盤の変位や怪我などで歩行時に体重が片側にかかっていると、体重がかかっている足の内側に多く荷重がかかる。 そのため、足底筋膜が徐々に引き延ばされ、第二楔状骨が下方に押し出されると、中足骨間の靭帯も引き延ばされて足の幅が広がっていき、内側に押し出された第一中足骨が外旋を起こし、第五中足骨は外側に押し出される事によって内旋が起こる。そして足趾は靴の形に添って母趾は外側に、小趾は内側に押され続けて変形していく。

纏めると、何らかの原因で体重の偏荷重がおき、足の内側が潰れはじめ足底腱膜が伸びていき、第二楔状骨が下方に落ち込み、中足骨間の靭帯が引き延ばされると外反母趾、内反小趾になる。という行程をたどる。 伸びきった足底腱膜は元通りになるとは考えにくく、足底筋を鍛えるとかテーピング、インナーソールを靴に入れたりしているが、楽にはなるが扁平足や外反母趾が治ったという話しはあまり聞かない。変形が治っていくには相当な時間がかかるためそれまで我慢できない事もあるのだろう。

カイロプラクティックでは骨盤の調整や脊柱の調整をする事で、荷重偏差を少なくする事や股関節、膝関節、足関節や足趾の調整を行い、痛みを抑え、変形を進ませない様にします。

肩こりのマッサージで

カイロの学校を卒業後、インターンをしていたセンターでの経験です。 スナック経営の女性で肩こりがひどく時折来院していました。特に右を向くと首から僧帽筋にかけて痛いと訴えていました。

うつ伏せで僧帽筋のマニピュレーションをし始めた時、思わず手が止まりました。 僧帽筋の中に芯が入っている様な感じがして、おかしな表現ですが『筋肉の中に鉛筆が入っている』と思ったほどです。

ひととおり施療が終わり、副院長にお聞きしたところ、数年にわたり3日に一度くらいの間隔で自宅にマッサージ師に来てもらいマッサージを受けていたそうです。 肩こり等でマッサージを受ける方のほとんどは強い力で押してもらいたがっていますが、 実は強い押圧やマッサージ行為は筋肉を痛めると言われています。

前述した女性の筋肉の事を考察すると、強いマッサージを受けた事により筋肉内の毛細血管が障害を受けて微量の内出血が起き、血管の修復が完全に行われないうちにまたマッサージを受ける事が続き、数年間かけて出血修復のために集まって来た繊維組織にカルシウムが沈着して筋肉で変性が起きてしまったのだろうと考えています。 まるで筋肉の中に『骨』ができた様な感じです。 残念ながらこの様になってしまうと筋肉は元に戻る事は無いでしょう。

もっとも、カイロプラクターがマッサージ行為はできませんから、カイロの施療でこのような事は起こりません。 頸椎や頚胸移行部の調整や鎖骨の動きを整える事によって肩こりは軽減していきます。オイルを使い皮膚をさする様にするだけでもリンパの流れは回復していき、非常に良い効果があります。 凝っているからといって強い力で筋肉を揉みほぐす事は良い事ではありません。

牽引療法

坐骨神経痛や首の痛みやしびれがあると、現在でも牽引を行う事が多くありますが、実は牽引すると症状の悪化が起きる時があります。病院でレントゲンやMRIでヘルニアと診断された場合、痛み止め、ビタミン剤の服用で様子を見て、変化が無いと、服用しながら通院で牽引をし、さらに症状が続くと入院して、安静と牽引をして症状が消えないと手術を行う事になります。手術も背中にメスを入れて飛び出したヘルニアを切り取る方法や、ペインクリニックでは神経根ブロックや硬膜外ブロックと言われる麻酔をする方法、レーザーでヘルニアを除去する方法などがあります。

牽引そのものは病院でも医師が行うのではなく指示により理学療法士が行ってます。カイロプラクティックでも被験者を仰向けにしてタオルを後頭部にかけてゆっくり(整体などでは急激に引っ張る事がある)引いて行く方法があります。 脊柱を牽引というのは背骨を引っ張る事で飛び出したヘルニアが神経を圧迫しているのを解放しようと言う事なのですが、いくら牽引しても背骨の間が広がる事などありえません。

考えてみると引っ張った後は『立って歩いて帰る』のですから5〜6kgあると言われる頭の重さが脊柱にかかってるのですから、仮に背骨の間が開いたと言っても家に着く前に開いた隙間は元に戻るでしょう。だいたい脊柱は椎体と椎体の間を広げられるような構造になっていませんから牽引をしても無駄と思います。 実際に、大学病院病院の医師でもヘルニアに牽引は無力と言ってます。 神経は圧迫より牽引されるといたみを感じます。さらに引っ張ると感覚が低下して痛みを感じにくくなるだけです。

カイロの学校でも関節は適度な隙間が必要と教わり、テクニックでも関節を引っ張る様なことが多くあります。しかし関節は密着する事が非常に大事で、密着する事により動きが滑らかになります。そして、筋肉が働く時には関節は必ず密着するのです。よくお年寄りが「油が切れたようだ」と言ってますが、まさしくその通りで荷重がかからなくなったり関節の変位で密着が悪くなると『油が切れた』状態になり関節の動きが悪くなったり痛みの発生が起こります。

人は立って生活してますから、頭から脚に向かって重力を受けてます。腕の関節以外はすべて密着方向に力がかかっています。それが正常なのですから牽引をして関節に隙間を作る事はナンセンスと言わざるを得ません。 牽引療法で症状の悪化があった時はすぐに牽引を止める事をお勧めします。

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