肋骨は左右で12組あり、肋骨の下縁にそって肋間神経があります。
その神経になにがしかの原因で張力が加わると痛みが出ます。それが肋間神経痛と言われる症状です。
多くは脇の下が痛くなったり、肋骨にそって痛みが走る感じや、ひどくなると「胸痛」が起きる事があり、「心臓が痛い」と言って、胸を押さえて身体を丸くしたりします。
決してお年寄りだけの症状ではなく、子供でも肋間神経痛は起こります。
事故や運動障害によるものと思いますが、私の経験では、小学生の女子がこの症状があり、話しを聞くと地域のクラブチームでバレーボールをしているとの事。
バレーボールだけではないでしょうが、ボールを追いかけて背中から落ちたり、他人との接触で後方に転倒した場合では、肋骨が背部より前方に急激な力で押出されるため、その衝撃で肋骨と背骨の関節(肋椎関節や肋横突関節と呼ばれる関節)が離れる方向に力がかかります。
もちろん、関節が目で見えるほどの隙間があくわけではないのですが、関節の密着が悪くなり、わずかに肋間神経が引っ張られる様になり、結果、痛みが発生します。
特に第三肋骨や第四肋骨と言うのは心臓の高さになりますので、この肋骨が障害されると前述した「心臓が痛い」と表現されます。 調整としては、骨盤や脊柱、そして、障害された肋骨を前方から圧着する様にして関節を密着させていきます。
この肋骨の調整法は肋間神経痛だけではなく、ぜんそくの方にも非常に有効な調整法でもあります。
腰痛などの場合、特にギックリ腰なんかでは温めた方がよいのか、冷やした方がよいのか、悩む事がありますね。調べてみると両方の意見があり非常に悩みます。 一般的に、急性は冷やす。慢性は温める。といいますが、概ね身体の痛みには冷やした方が良いと考えています。
痛みやなにか症状のある場合、その部分は「炎症」がおきています。 炎症は傷などが治るために必要な事なのですが、「炎症は第一層で止める」というのが鉄則で炎症が広がるのを防ぐには、やはり冷やす(アイシング)が良いでしょう。 確かに温めると気持ちがよいのですが、ホットパック等で温めると温めた場所は赤くなり当然温度が上がっていて汗も出てきます。 血流も良くなりますが、ちょっと考えてみましょう。体温は常に一定です。直腸温で37°ですから、暑い時には汗をかいて体温を下げるし、寒い時に震えるのは筋肉を震わせて体温を上げるという事をしています。 温める事によって血流が良くなるのは、加えられた熱を捨て去るために血管というホースを太くして、血液という水をたくさん流して温度を下げようとしてます。 ですので、寒い時に暖かい服装をする事が悪いと言う事ではなく、無理に温める必要は無いと思います。もちろん、必要の無いアイシングもすることはありません。
ちょっと話しがそれますが、冷え対策でショウガの料理を食べていたレポーターが、 ふたくちかみくち食べて、「見て下さい。この汗!」っていいながら、体温が上がり血流が良くなった事をアピールしてますが、汗をかいているという事は、体温上昇を防ぐために汗をかいて体温を下げているという事になります。
低体温の方がこのような食事をして、低体温が治るのならいいと思いますが、一時的な事と思っています。
40年〜50年ほど前は、野球の選手が方を冷やす事はいけない事とされていましたが、現在は投球後に肩と肘をしっかりアイシングしているのを見かけると思います。
これも、肩を使った後に組織の熱破壊を防ぐためになります。
機械では熱破壊を防ぐために冷却に力を入れてます。良い例が自動車のラジエーターで、この装置は適正なエンジン温度を保つためですね。
人や動物の体温も一定になっていて、細胞の働きが正常に行われるために必要な事なのです。 発熱というのは一時的に細胞の働きを抑えて、免疫力を上げるために体温を上げているのです。
そのため、風邪などの発熱時に解熱剤を服用すると免疫が下がり却って治りが悪くなります。注意が必要です。
例えば、膝痛で膝関節に水が溜まっている方は特にアイシングが効果的です。 東洋医学では膝に水が溜まるのは、「炎症があるため身体が水を溜めて冷やしている」と言っています。ですので、炎症が続いてる間はいくら水を抜いてもまた溜まる事になります。 膝に係らずこまめなアイシングと、関節の調整をするとなおいっそう効果があります。
☆アイシングの方法 アイスバッグ(市販されていますし、ビニール袋で代用できます)に氷と水を入れて患部に当てます。 冷えすぎる時にはてぬぐい(タオルでない方が良い)か綿の布を一枚置いてその上からでもアイスバッグを当てて下さい。 時間は、15〜20分くらいでいいでしょう。一日に2〜3回行って下さい。
☆注意 患部のアイシングが目的ですから、体全体を冷やさない様にご注意下さい。
パソコンのキーボード操作や楽器演奏、オフロードバイクに乗っている方など、手首に負担がかかっている方に多く見られます。
三味線を教えている方で右の手首(小指側)の痛みが出ていて、手首を小指側に曲げながら、手背側に反らせると痛みが酷くなり、検査をすると非常にゆるい感じがしてました。
その部分を調整すると手首の痛みは消えたのですが、手の甲の骨(中手骨:5本)の中指(第4中手骨)と小指(第5中手骨)の骨との間が左手より右手の方があきらかに開いていて、関節の可動検査を行うとグラグラな感じがしました。
緩くなっている関節は可動しすぎているので、安定させるために手の甲に巻く様にしてテーピングで固定する事にしました。
関節が緩くなるということは、靭帯が伸びているという事で非常に治りにくく、障害期間が長くなるほど、加齢が進むほど予後不良であるのですが、まだ若い方だったためか、テーピングと手首の調整を行った所、中手骨同士のグラグラ感がなくなり関節も安定してきましたが、テープは長く貼っているとかぶれて来ますので二日貼って1日休ませる様にする事と、三味線の稽古の時には貼っておくようにしてもらいました。
三味線のバチは小指を深く曲げその上から他の3本の指でバチを挟む用に持つため、第4、第5中手骨に負担がかかり中手骨間の関節にゆるみが出て、さらに手首を小指側に曲げる様にして弾くためにこのような状態なったものと思います。
反対にギター、ベースでネックを押さえる時の手首の形のため、左手首に負担がかかっている方もいます。
練習して成れていく事も大事なのですが、頚部、肩関節、肘の関節および手首まわりの関節の調整をすると動きのよく痛みも少なくなります。
このような方にカイロプラクティックでの調整をお勧めします。